2009年12月10日木曜日

あなたが言う、だから口を噤む

塾の講師なんて景気の影響をもろに受けるなぁ
それにこんなに子どもが少なくなってきてますます過当競争の時代だ
本音で言えばねまだまだ子どもたちにはいろいろな経験をさせたいんだ
塾なんて行ってる暇があれば外でいろいろな経験をすればいい。
俺は今まで乗るまで授業をこなしてきたよ
本音でぶつかり合うことなんて上でも下でもしなかった
だけど、もう限界に近いんだ
子供はますます自分の前だと舌を巻いて笑うし
塾の経営者は成績だけを上げることに躍起になるし

今日は違う授業がしたい
なぜなら、こうあるべきなんだという姿を今模索している。

教室に入ると
下を向いて答案用紙に頭を捻る生徒が一斉に顔を上げた

よし、終わったな
いつもなら集めろというべきだったが
分からない問題があったと思う
皆で相談して解いていいぞ

そういうときょとん顔で生徒はお互いの顔を見て
何だ、それならもういいのか答案用紙を集めるぞ

生徒は席をたった

その間に自分が用意した問題用紙を確認した

生徒はある程度終わったようだ

これからは先生がくる前に皆の力で解いてもいいんだぞ
ただし過程をしっかりと書け

そして
この問題用紙に好きなことを書いてみろ
この教科に対する不満でも好きな点でも何でもいい

生徒は表現力というものが如何に大事かということを知らないと思っていた
だからわざと漠然としたことをいっぺんやらせようと思った

流石に質問が出てくる
一行で終わってもいいのか
例文のない問題は気持ちが悪いとか

そして

ホワイトボードになぜ勉強を始めるのか?
という質問を書いて
次々に聞いて回った

将来のため
親のため
自分のやりたい事につながるため
学生だから
皆が応援してくれるから
いい大学に入れば羨望のまなざしで見られるから

俺は言いたかった
勉強は一生続くもので決して終わることはないことを

成長し続けるためにもどこかでくじけたときやり直せるためにも
今の勉強に夢を見出して欲しかった

しかし
学校の勉強がすべてではない、芸術もスポーツも同じくらい全力でやって欲しい
そしてその基本となるものが今ある、与えられた学校の勉強
いつか答案用紙を眺めてニヤリとする生徒が増えれば
自分のやりたかった事は完遂するのだ。

2009年12月3日木曜日

ふきげん

おめでとうございます
3000グラムの健康な赤ちゃんですよ

まわりの人達にはうっすら涙が浮かんでいた。
お爺ちゃんの待っていた長男の子供。
お父さんの待っていた長男。

喜びは言葉では表せない


お母さんの手のひらから離れるとそこは新生児室だ
同じような子どもが沢山いた。僕たちはテレパシーで通じてる

なんでお前はそんなに仏頂面なんだ?
そうよね、この世に生まれたのよもっと喜びなさいよ

ぶーぶーぶー
どうせみんなは成長するんでし
僕はこのまま年をとらず親の手のひらに戻るんでし

私なんて三人目の女の子だったからお爺ちゃんもおばあちゃんんも駆けつけなかったわ

おれなんて親父が仕事だからって放ったらかしだよ

ぶー
僕はずっとひとりでし
相入れることの出来る人はこれから生まれてくる妹くらいでし。

俺大きくなったらサッカー選手になるんだ

私はアイドルがいい

ぶーぶー
夢なんていつまでもモテないからいいんでし
僕はいつまでも夢を描くことしかできないんでし

人は自分の為に涙を流してくれる
でも自分はなかなかひとのために泣くことはなかった

部屋から出るときせめてこの不機嫌な顔だけは直してゆくべきだった
仲間とは離れ離れになったけど皆元気でやってる。
それが伝わっているから
なんとか嬉しい
喜びは普段自分では分からない部分で伝えているのだろう
だから僕は幸せに満たされている。

おわり