町に出ると沢田は辺りを見渡した
辺りにはまばらに人が点在していた
なぜかこの日はストリートミュージシャンの姿はあまり見ない
シートを張って座り込む
沢田はこの日のためにとっておいた歌を全部披露しようと思った
決して見せかけでもごまかしでもない歌
胸の思いを伝え
自分でも少し恥ずかしいものでもある
あぁ俺はこの日のために音楽をやってきたんだな
短い感慨に浸りながらも沢田は心酔した
演奏が始まって間もない頃一つの異変に気付いた
誰も周りには立ち寄ってくれない
むしろ避けている
沢田はちらりとも見てくれない人の波に疎外感を覚えた
そして誰一人としてみてくれないまま演奏は終わった
沢田は複雑だった
俺の音楽は少しおかしい、少し間違ってる
そう思ったとき静かに拍手の音が聞こえてきた
静かに近づいてきたのは昨日の女性だった
いきなり
あんたもう絶頂やわ
私の中で最高のヒーロやわ
それはどうも
沢田は慰めか弔いにしか聞こえなかった
待ちたまえ
私は某レコード会社の社員なのだが君一度デビューしてみないか?
この子はうちの社員で君をずっと見てたんだ
今日の歌が一番あんたらしかったよ
みんな酷いな見てるなら見てるって
すると大勢の人達にいつの間にか囲まれてるのに気付く
この人達は?
あなたの歌をずっと待ち続けてた人
行こうよ次のステージへ
立ち止まっちゃ駄目
沢田は膝を落とした
ただ自分を必要としている人達に囲まれる事がこんなにも沸き上がるものなのだと
大粒の涙をぽとぽと地面に落とした
おわり
2008年2月16日土曜日
到達点 A
建物の中に入るとと突然光線と渦のような音が襲ってきた
エレキギター、ベース、シンセ、ドラム、DJ
それらが一体となってグルーヴを組みだしている
この生き生きとした目はこれだったのか・・・
クラブでダンスロックをしたいというビジョンは沢田には少しあった
そのリズムは鮮明で何者もとらわれる事を知らず踊らずにはいられない
リスナーが一体となって一つの場を作り出している
ライブハウスでは出来なかった芸当だなそれにもう俺たちは・・・
もう始まってるんだ
新しいジャンルに生きるかそれとも過去の音楽にしがみつく事か
ただ一つ思ったのはダンスは人間を解放する自由な運動
もっと自由に誰でも簡単にできれば・・・
踵を返しまたそのリズムに心を委ねた
いつか自分自身の音楽が間違ってはいなかった事に気付くのではないだろうか
自分がピンときたジャンルはいつだって蚊帳の外だ
それでもきらりと光る何かがある
可能性を信じたもの
自分の手にしてもいいのではないのか
まだ遅くはなかった
リズムマシンを背負った沢田はそれ以来のれる音楽を探究した
今度は受け手を主人公にも出来る
飽くなき探究心と限りない思いは続く
おわり
エレキギター、ベース、シンセ、ドラム、DJ
それらが一体となってグルーヴを組みだしている
この生き生きとした目はこれだったのか・・・
クラブでダンスロックをしたいというビジョンは沢田には少しあった
そのリズムは鮮明で何者もとらわれる事を知らず踊らずにはいられない
リスナーが一体となって一つの場を作り出している
ライブハウスでは出来なかった芸当だなそれにもう俺たちは・・・
もう始まってるんだ
新しいジャンルに生きるかそれとも過去の音楽にしがみつく事か
ただ一つ思ったのはダンスは人間を解放する自由な運動
もっと自由に誰でも簡単にできれば・・・
踵を返しまたそのリズムに心を委ねた
いつか自分自身の音楽が間違ってはいなかった事に気付くのではないだろうか
自分がピンときたジャンルはいつだって蚊帳の外だ
それでもきらりと光る何かがある
可能性を信じたもの
自分の手にしてもいいのではないのか
まだ遅くはなかった
リズムマシンを背負った沢田はそれ以来のれる音楽を探究した
今度は受け手を主人公にも出来る
飽くなき探究心と限りない思いは続く
おわり
2008年2月12日火曜日
2008年2月10日日曜日
交差点
レコード店や会社からは到底目を付けられるはずも無い沢田は
路上で自分の居場所を確かめる事にした
小脇に自主制作盤を置き
機材もろくに使わず
ギター一本でライブをした
目の前は真っ暗で誰が聞いてるのかも解らない
ただ入れ替わりが目まぐるしくまるで走馬灯の中で歌ってるかのようだ
そして路上ライブも佳境を迎えた頃
一人目の前に立っていた
20代くらいの健康そうな女性
沢田の横にあるものをさして
あれ売ってるん?
うん一枚500円
そのCDを一枚拾い上げると舐めるように裏表を見て
売って、これ売ってや
ええ歌やん
沢田は自分に共感できる人がいるという事が意外な事に思えた
明日は?
え?
明日も歌うん?
仕事が終わったらすぐにくるけん
今まで直接感想や売れてゆくのを見た事が無かった沢田
独り占めにされた自分がなんだか面映い
しばらく考えてなかった事
歌で誰かを幸せにしたい
大切なものをもう一度手にして
次の日
なぜか昨日から喉がいがらっぽかったなぁと思ってたら風邪をひいていた
体調を優先させて
今日は路上でライブをするのはやめよう
約束してたけど明日になったらきっと俺の事なんて忘れてるだろう
勝手な思い込みで封鎖してしまった
沢田の歌詞に恋愛など微塵も入ってはいなかった
死生観、終末思想
特に社会への問題意識も顕著だった
沢田は歌詞もそうだが曲調にも特徴があった
和田を含めても生のドラムが無いユニットだったので
一人で何役もこなすケースが多かった
結果色々な経験が部分部分に生きている
しかしボーカル、ギターを捨ててもボーカルだけは譲れなかった
ふとギターに目をやる。あいつあれ以来話しかけてこないな
やっぱり俺の思い過ごしか・・・・
すると
歌を詩に変えるならどんな状況でも歌い上げれるもんだ
自分のため誰かのため未来のため
この3つを程よく織り交ぜる事が出来たのなら
私はお前の思うままに奏でてみせる
あぁ音楽は辛いさ
作る時も発表する時もその後の反響も
沢田は時計をちらりと見たまだ6時しか回っていない
まだ間に合うかな
ギターを持って一目散に町へ駆けていった
路上で自分の居場所を確かめる事にした
小脇に自主制作盤を置き
機材もろくに使わず
ギター一本でライブをした
目の前は真っ暗で誰が聞いてるのかも解らない
ただ入れ替わりが目まぐるしくまるで走馬灯の中で歌ってるかのようだ
そして路上ライブも佳境を迎えた頃
一人目の前に立っていた
20代くらいの健康そうな女性
沢田の横にあるものをさして
あれ売ってるん?
うん一枚500円
そのCDを一枚拾い上げると舐めるように裏表を見て
売って、これ売ってや
ええ歌やん
沢田は自分に共感できる人がいるという事が意外な事に思えた
明日は?
え?
明日も歌うん?
仕事が終わったらすぐにくるけん
今まで直接感想や売れてゆくのを見た事が無かった沢田
独り占めにされた自分がなんだか面映い
しばらく考えてなかった事
歌で誰かを幸せにしたい
大切なものをもう一度手にして
次の日
なぜか昨日から喉がいがらっぽかったなぁと思ってたら風邪をひいていた
体調を優先させて
今日は路上でライブをするのはやめよう
約束してたけど明日になったらきっと俺の事なんて忘れてるだろう
勝手な思い込みで封鎖してしまった
沢田の歌詞に恋愛など微塵も入ってはいなかった
死生観、終末思想
特に社会への問題意識も顕著だった
沢田は歌詞もそうだが曲調にも特徴があった
和田を含めても生のドラムが無いユニットだったので
一人で何役もこなすケースが多かった
結果色々な経験が部分部分に生きている
しかしボーカル、ギターを捨ててもボーカルだけは譲れなかった
ふとギターに目をやる。あいつあれ以来話しかけてこないな
やっぱり俺の思い過ごしか・・・・
すると
歌を詩に変えるならどんな状況でも歌い上げれるもんだ
自分のため誰かのため未来のため
この3つを程よく織り交ぜる事が出来たのなら
私はお前の思うままに奏でてみせる
あぁ音楽は辛いさ
作る時も発表する時もその後の反響も
沢田は時計をちらりと見たまだ6時しか回っていない
まだ間に合うかな
ギターを持って一目散に町へ駆けていった
2008年2月7日木曜日
十字路
カセットレコーダーに手を伸ばすと
沢田は静かに目を閉じた
言葉にならなくてもいい
今の自分を素直に出す
ただ一心でコードチェンジもおぼつかない歌を作った
テープが出来上がると早速聞いてみた
何度も推敲を重ねた曲には無い魅力がそこには詰まっていた
これはいける
相方にも聞いてもらわなければ
そう思うとおもむろに電話をかけた
和田は
音楽諦めなかったんだな
そんな気はさらさらないよ
これからもよろしくな
心機一転をして早速
インディース盤を取り扱ってる店に足を運んだ
この曲をここで置いてもらえませんか
ノルマを満たしてくれるならいいよ
でもその前にちょっと聞いてみようかな
その途中で店員は目を丸くした
今までに無い曲だね
所謂問題外だった
沢田は自分の中で何かが変わってしまったのを感じた
聴衆の耳に訴えかけるのではなく自分心をのぞく
音楽に割り切った考えを捨てて
自分に必要な歌を歌う
なんて事の無い理由がその後の沢田を変えてゆく
道は険しかった 誰もいなかった
世界をどう見るか
沢田の音楽は今始まったばかりだ
つづくかも
沢田は静かに目を閉じた
言葉にならなくてもいい
今の自分を素直に出す
ただ一心でコードチェンジもおぼつかない歌を作った
テープが出来上がると早速聞いてみた
何度も推敲を重ねた曲には無い魅力がそこには詰まっていた
これはいける
相方にも聞いてもらわなければ
そう思うとおもむろに電話をかけた
和田は
音楽諦めなかったんだな
そんな気はさらさらないよ
これからもよろしくな
心機一転をして早速
インディース盤を取り扱ってる店に足を運んだ
この曲をここで置いてもらえませんか
ノルマを満たしてくれるならいいよ
でもその前にちょっと聞いてみようかな
その途中で店員は目を丸くした
今までに無い曲だね
所謂問題外だった
沢田は自分の中で何かが変わってしまったのを感じた
聴衆の耳に訴えかけるのではなく自分心をのぞく
音楽に割り切った考えを捨てて
自分に必要な歌を歌う
なんて事の無い理由がその後の沢田を変えてゆく
道は険しかった 誰もいなかった
世界をどう見るか
沢田の音楽は今始まったばかりだ
つづくかも
2008年2月1日金曜日
クロスロード
街はやがて夜が更けてゆく 人並みはゆったりと慌ただしく映る
路上はストリートのミュージシャン、表現者たちの踊り場になる
優しい歌が歌いたい、いつかデビューだ、ただ歌が好きなんだ
入り交じるいろいろな思惑、いや感情
いつまでも音楽は未完成だ
だからこそ人を救い導くのかもしれない
ストリートでも歌いライブハウスでもそこそこの人気を保つ二人組
若さや葛藤苦悩
何より生きる喜びを表現する
上も無ければ下も無いただ伝えれる人達が広がらないだけ
そう思ってるうちに二人は何度も解散しようかと考えたのか
もうこれ以上の可能性なら実家に帰るか職を探そうと思ってるんだよ
ギターボーカルの沢田はベースの和田にそうぽつりとつぶやいた
今まで音楽性の事で一悶着はあったさでもってそんな理由で・・・
報いを求めていたのは何より自分だって事に気がついたんだ
そんな人間が人に何を伝えられる?
いいよそんなに言うなら
しばらくお互い距離を置こう
そう言うと和田はあっさりと帰った
ちくしょう思いのままに自分をぶちまける事が出来たら
それでも我慢だ
ふと誰かがつぶやいた
お前だお前だよ
私をいつもぎこちない手と愛情でかき鳴らしてくれてる
ギターが話しかけてきた!?
沢田は遂に疲れがピークに達したのかな
と感じ聞こえない振りをした
音楽で人を幸せにできると信じてるんだろう?
そのギターは相変わらずの口調でしゃべり続ける
もう疲れたんだよ
こんな世の中に何を見いだしていいのか・・・
いつの間にギターに受け答えていた
お前の歌を待ってる人が一人でもいる限り歌い続けろ
ださい事も平気で受け入れて
その手垢の付いた手でがむしゃらに私を奏でてもいいんだ
家に帰ると朝からご飯をとっていなかったに気付いた
生活はぼろぼろになってきたけど
自分の好きな事が出来る
20代はそれでよかった
夢を諦めるかそれとも信じ抜くのか
あまりにも過酷な選択を強いれられていた
世の中と自分は密接だ 如何にうまく絡めて歌い上げるのか
しかし今日の沢田は違った
自分が輝いていた思い出や記憶、出会った人達
自分の中に内在する宇宙を爆発させようと
6弦のフォークギターをおもむろに手に取った
後半へ
路上はストリートのミュージシャン、表現者たちの踊り場になる
優しい歌が歌いたい、いつかデビューだ、ただ歌が好きなんだ
入り交じるいろいろな思惑、いや感情
いつまでも音楽は未完成だ
だからこそ人を救い導くのかもしれない
ストリートでも歌いライブハウスでもそこそこの人気を保つ二人組
若さや葛藤苦悩
何より生きる喜びを表現する
上も無ければ下も無いただ伝えれる人達が広がらないだけ
そう思ってるうちに二人は何度も解散しようかと考えたのか
もうこれ以上の可能性なら実家に帰るか職を探そうと思ってるんだよ
ギターボーカルの沢田はベースの和田にそうぽつりとつぶやいた
今まで音楽性の事で一悶着はあったさでもってそんな理由で・・・
報いを求めていたのは何より自分だって事に気がついたんだ
そんな人間が人に何を伝えられる?
いいよそんなに言うなら
しばらくお互い距離を置こう
そう言うと和田はあっさりと帰った
ちくしょう思いのままに自分をぶちまける事が出来たら
それでも我慢だ
ふと誰かがつぶやいた
お前だお前だよ
私をいつもぎこちない手と愛情でかき鳴らしてくれてる
ギターが話しかけてきた!?
沢田は遂に疲れがピークに達したのかな
と感じ聞こえない振りをした
音楽で人を幸せにできると信じてるんだろう?
そのギターは相変わらずの口調でしゃべり続ける
もう疲れたんだよ
こんな世の中に何を見いだしていいのか・・・
いつの間にギターに受け答えていた
お前の歌を待ってる人が一人でもいる限り歌い続けろ
ださい事も平気で受け入れて
その手垢の付いた手でがむしゃらに私を奏でてもいいんだ
家に帰ると朝からご飯をとっていなかったに気付いた
生活はぼろぼろになってきたけど
自分の好きな事が出来る
20代はそれでよかった
夢を諦めるかそれとも信じ抜くのか
あまりにも過酷な選択を強いれられていた
世の中と自分は密接だ 如何にうまく絡めて歌い上げるのか
しかし今日の沢田は違った
自分が輝いていた思い出や記憶、出会った人達
自分の中に内在する宇宙を爆発させようと
6弦のフォークギターをおもむろに手に取った
後半へ
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