ぼんやりと池の畔で男は呟いていた
些細なコトを何時までも悩んで人生を棒に振りたくはない
かと言って自分は小さなことだと見過ごしてきたことが今までどれほどあったことだろう
臆病でもなく卑怯でもなく何かが必要だった
父と母親は二年前に他界かわりに妹が後見人になった
それと同時に二年前
家の前でボーと立ってたら挨拶をかわすようになった女性
まさかその直後に両親を失うなんて
寂しさや心苦しさを埋め合わせてくれるかのようにその人はいつもいる
冷蔵庫には彼女の買ってくる食材でぎっしり
母の姿がよぎる
仕事に行ってくる、そう言い残し去ってゆく
目を瞑り何も言わずにうなだれて帰ってくる
父親の姿がよぎる
きっと神様は二物を与えた人を私にくれた
心配なんてしなくても人生はどこかで帳尻が合うことも知っている
ただ時間だけが絆を創り上げてゆく