スタートダッシュに成功したセイは思い切り車体を傾け
インハイのコースに寄った
誰にもコーナーは譲らない
セイが所属するスピードジャックは
初級でもあり登竜門でもありここで基礎を学んでランクアップしてゆく
故にラフプレーが禁止されていた
後続車は指をくわえてみるばかり
セッティングがいいよ今日のマシンは吸い付くように走るぜ
セイは自分が今まで隠していた恐怖との葛藤から解き放たれそうだった
負けるのも怖いかといって事故を起こすのはもっと怖い
だがなによりも走る喜びをこのときは手に入れていた
後ろから何か突き刺すような悪寒を感じた
何だこの嫌な予感は
誰だ俺を見下してるのは
斜め後ろからフルスロットで接近してくる車体
セイは動揺した
体当たりは禁止のはずだったしかし
その車体はわずか数ミリの単位でコツンと車内に響く音を出させた
うわぁぁぁ
こんなところで終わりたくない
セイもまたフルスロットルでコーナーを曲がり切ろうとした
頭につけたインカムにチームの声が響く
おいセイ焦るんじゃないまだ後4周残ってるぞ
セイはその声で気を取り戻した
やがて直線に入り
気持ちが楽になった
最初のコースは曲線が緩く単調になりがちだったがセイはメリハリを付けた
無理なアクセルワークを避け相手の視界を遮るように運転した
第一ラウンドの結果は2位
いつもなら予選落ちだったが今回は次のラウンドまで進める
セイは最後まで残らないとここまできた意味が無い
そう思い足早に次のコースへ足を運んだ
2008年8月8日金曜日
黒い夢
同時進行で平行して別のもの語りを並べてゆきます
タイトルで続きをわかりやすく示す予定ですが止まったときは自然淘汰という事で勘弁してください
男は何かを待っていた
すし詰めにされる車体を目の前に遠くにいる誰ともわからぬものを
ここは感じようには生き地獄でもあった
無関心に足を踏まれ 謝りの言葉の余裕すら無く 行く当てもないように
男は電車に揺られた
つり革にもたれながら今日の終わった一日分の疲れを清算する
今は今日だけは目先の事だけに目を奪われないよう考えた
何かを変えなければいけない
だがその方法がわからない
仕事もプライベートもそして何より大切な家庭が蝕まれていた
生き方を根本から変えなくてはもうどうしようもない
しかし明日の仕事は大切なクライアントの取引でもある
特別な理由が嫌になってくる
ノルマは誰のためにあるのだろう
そのおわりなき土嚢のように積み上げられた壁をせっせと運ぶ作業に似ていた
静かな足取りで自宅に帰る
深呼吸すればするだけ溜息が漏れた
タイトルで続きをわかりやすく示す予定ですが止まったときは自然淘汰という事で勘弁してください
男は何かを待っていた
すし詰めにされる車体を目の前に遠くにいる誰ともわからぬものを
ここは感じようには生き地獄でもあった
無関心に足を踏まれ 謝りの言葉の余裕すら無く 行く当てもないように
男は電車に揺られた
つり革にもたれながら今日の終わった一日分の疲れを清算する
今は今日だけは目先の事だけに目を奪われないよう考えた
何かを変えなければいけない
だがその方法がわからない
仕事もプライベートもそして何より大切な家庭が蝕まれていた
生き方を根本から変えなくてはもうどうしようもない
しかし明日の仕事は大切なクライアントの取引でもある
特別な理由が嫌になってくる
ノルマは誰のためにあるのだろう
そのおわりなき土嚢のように積み上げられた壁をせっせと運ぶ作業に似ていた
静かな足取りで自宅に帰る
深呼吸すればするだけ溜息が漏れた
666
走る理由は人それぞれ
金と名声がついてくる
愛するもののために走る
自分の欲求に素直になりたいから走る
自分を探すために走る
2045年
人類の欲望は宇宙へと進出していた
既に地球外生命体を発見し文明も似たり寄ったりだった
人類は独りじゃ無い事を認識し
宇宙標準をこれから創りだしてゆく
その中で賭け事に熱中するのは全宇宙共通の概念だという事を知らしめた
中でも燦々と輝くギャンブルがある
666といわれるドッグレースだ
リニア式のホバージェットエンジンを搭載したビークルで
単純に一位を狙う
貧富の激しい宇宙ではこれらのレースに参加する事は大変な名誉でもあり
貧しさからのし上がれる手っ取り早い手段でもあった
しかし走りには才能が必要でそれらにふるい落とされ残る人間はわずか
ここに今日も走りを求めて集うものがいた
よう、あこぎに稼いでるかニッキー
へへっあんたにいわれちゃ適わないな
なぁDr.三冠男
うすぎたない路地裏で紙幣を数えてる男に話し掛ける
どうだ、俺の今日の走りは
ま、五分五分といったところだな
あんたに貢いだ金は全て返ってくる事を前提としてるんだ
あんまり冷や冷やさせないどくれ
俺は金のためなら手段は選ばない質なんでね
勝っても負けても報酬は同じなら裏方にだって回る
だがそれも今日で命日のようだ
賭博で八百長疑惑が発覚して
もうすぐ選手に査察がはいる
まぁ、別の道を探すさその時は
走りの才能は鈍ってない訳だし
あんたは本当に気まぐれやだよ、才能を持ってるのに金の前だと
本当に正直だ
今日はありがとよ
男のすぐ前方にはきらびやかな電光掲示板があって
今日のレース結果を逐一流していた
三冠男の名前の由来は当時最高峰と言われたスピードキングで
誰もがなし得なかった三連覇を記録した事からつけられている
当時のブライはとてつもなく早かった
鬼と言う言葉が相応しい走りをしていた
彼の才能はどこからきたのか
その努力がかすむほどの才能を有り余る当時の若さは十分に補っていた
しかし、時代は変わって闇の時代が訪れる事になる
ギャンブル性が強くなり八百長が横行しだ下のだ
それまでスター選手と言われた人たちがことごとく手を染めた
金と言う価値観の前では皆まっとうなんて存在しないのだ
やがて暗黒の時代が訪れるがそれを変えた男がいた
それも遠い遠い未来の事
三番レースがこれより開始します
選手のみなさんは召集所に集まってください
煙草にゆっくり火をつける中年の姿があった
セイは二流のすかすかのパイロットだった
タイセーのキャブが手に入ったぜ
これでわざとらしいラストスパートともおさらばだぜ
男の顔はうかない
しっかりしろよ
もうお前にはこの道しか残ってい無いんだぜ
まぁ裏もの同士仲良くしようぜ
そうだな三年も前なら祝福してくれる人がいた
走馬灯のように思いだした
すっかり変わったね前とは別人のよう
どんなに惨めな思いをさせても真っ当に生きてるあなたが好き
それなのに
あぁ、勝つためには変わるさ
どんな手段を使ってでも、それが駆け引きの世界で俺が学んだもの
人として大事な部分を削ってる
それでもいいの?
お前に何がわかる?
別れましょう、もうこれ以上変わってゆくあなたを見るのはこりごり
心は思う存分傷付いたがある程度の金は残った
これが俺の選んだ道だ悔いなど残ってはいない
選手がマシンに乗り込みます
場内は活気づいた
二つの気筒エンジンが熱気を帯びてきた
スタートシグナルが赤から青に変わる
よし ここだ
最初に飛びだしたのはセイの車体だった
うまい
今日のセッティングはいける
そう思ったのは両者だった
金と名声がついてくる
愛するもののために走る
自分の欲求に素直になりたいから走る
自分を探すために走る
2045年
人類の欲望は宇宙へと進出していた
既に地球外生命体を発見し文明も似たり寄ったりだった
人類は独りじゃ無い事を認識し
宇宙標準をこれから創りだしてゆく
その中で賭け事に熱中するのは全宇宙共通の概念だという事を知らしめた
中でも燦々と輝くギャンブルがある
666といわれるドッグレースだ
リニア式のホバージェットエンジンを搭載したビークルで
単純に一位を狙う
貧富の激しい宇宙ではこれらのレースに参加する事は大変な名誉でもあり
貧しさからのし上がれる手っ取り早い手段でもあった
しかし走りには才能が必要でそれらにふるい落とされ残る人間はわずか
ここに今日も走りを求めて集うものがいた
よう、あこぎに稼いでるかニッキー
へへっあんたにいわれちゃ適わないな
なぁDr.三冠男
うすぎたない路地裏で紙幣を数えてる男に話し掛ける
どうだ、俺の今日の走りは
ま、五分五分といったところだな
あんたに貢いだ金は全て返ってくる事を前提としてるんだ
あんまり冷や冷やさせないどくれ
俺は金のためなら手段は選ばない質なんでね
勝っても負けても報酬は同じなら裏方にだって回る
だがそれも今日で命日のようだ
賭博で八百長疑惑が発覚して
もうすぐ選手に査察がはいる
まぁ、別の道を探すさその時は
走りの才能は鈍ってない訳だし
あんたは本当に気まぐれやだよ、才能を持ってるのに金の前だと
本当に正直だ
今日はありがとよ
男のすぐ前方にはきらびやかな電光掲示板があって
今日のレース結果を逐一流していた
三冠男の名前の由来は当時最高峰と言われたスピードキングで
誰もがなし得なかった三連覇を記録した事からつけられている
当時のブライはとてつもなく早かった
鬼と言う言葉が相応しい走りをしていた
彼の才能はどこからきたのか
その努力がかすむほどの才能を有り余る当時の若さは十分に補っていた
しかし、時代は変わって闇の時代が訪れる事になる
ギャンブル性が強くなり八百長が横行しだ下のだ
それまでスター選手と言われた人たちがことごとく手を染めた
金と言う価値観の前では皆まっとうなんて存在しないのだ
やがて暗黒の時代が訪れるがそれを変えた男がいた
それも遠い遠い未来の事
三番レースがこれより開始します
選手のみなさんは召集所に集まってください
煙草にゆっくり火をつける中年の姿があった
セイは二流のすかすかのパイロットだった
タイセーのキャブが手に入ったぜ
これでわざとらしいラストスパートともおさらばだぜ
男の顔はうかない
しっかりしろよ
もうお前にはこの道しか残ってい無いんだぜ
まぁ裏もの同士仲良くしようぜ
そうだな三年も前なら祝福してくれる人がいた
走馬灯のように思いだした
すっかり変わったね前とは別人のよう
どんなに惨めな思いをさせても真っ当に生きてるあなたが好き
それなのに
あぁ、勝つためには変わるさ
どんな手段を使ってでも、それが駆け引きの世界で俺が学んだもの
人として大事な部分を削ってる
それでもいいの?
お前に何がわかる?
別れましょう、もうこれ以上変わってゆくあなたを見るのはこりごり
心は思う存分傷付いたがある程度の金は残った
これが俺の選んだ道だ悔いなど残ってはいない
選手がマシンに乗り込みます
場内は活気づいた
二つの気筒エンジンが熱気を帯びてきた
スタートシグナルが赤から青に変わる
よし ここだ
最初に飛びだしたのはセイの車体だった
うまい
今日のセッティングはいける
そう思ったのは両者だった
2008年8月4日月曜日
いつかは
気付けばそのまま寝てしまったようだ
筆を握りしめたまま床に伏せている
そうか俺はいつの間に寝てしまったのか
頭を上げると昨日完成させた自分の作品があった
濃縮した自分の感性は結晶となって自分にまじまじと迫ってくる
確かに見直すとやはりどこか稚拙で足りない部分が多い
しかし達成感はあった
誰にも胸を張って言える自分のもの
布をかぶせるともう少し仮眠をとろうとした
すると誰かが部屋に入ってくる物音がした
クラスメイトしかいないな・・・
むしろ今ではかけがえの無い人だ
ここなんだな
えぇ入って今では学校に行ってる時間のはずだし
あいつをここまで追いつめるのも時間がかかった
金も策も尽き果てて来週には放校処分だよ
くだらない夢と自尊心と一緒に社会から抹殺だ
でもなぜそこまで彼を
純粋に夢を追いかけてるのは人としてあるべき姿よ
お前も俺の男やめてあいつのもとにでも行くか?
冗談、辛気臭い夢なんてごめんなの
ははは、全く危険思想のある人間は叩いても叩いても出てくるな
突然何かが起き上がった
誰?
あなたもしかしてだって今日は学校じゃ
完成したんだ
いの一番に君に見せるつもりだった
本当さ
でも嘘、その優しさも言葉も偽善だったんだね
青年は静かに言った
おいおいお前なんかに本気で思ってたと信じてたのかよ
ま、これでも食らって楽になりなよ
そう言うと男は拳を振りかざした
当てるならここに当てるんだ
青年はカウンターで男の顔面に男が放った何倍もの威力のパンチをこびりつけた
クラスメイトの顔を見るなり悲しい表情で青年は部屋から出て行った
画廊に向かうといつもの少女
頬杖を付いて何かを待ってるようだった
青年が近づくと笑顔になって
両手を差し出してきた
そして
今は私、何も無いよ
君もそうさ
青年は予期せぬ言葉に
そうだよ俺は何も無いよ
でもいつかは・・・・
静かな午後に二人は自分たちをただ確かめあっていた
おわり
筆を握りしめたまま床に伏せている
そうか俺はいつの間に寝てしまったのか
頭を上げると昨日完成させた自分の作品があった
濃縮した自分の感性は結晶となって自分にまじまじと迫ってくる
確かに見直すとやはりどこか稚拙で足りない部分が多い
しかし達成感はあった
誰にも胸を張って言える自分のもの
布をかぶせるともう少し仮眠をとろうとした
すると誰かが部屋に入ってくる物音がした
クラスメイトしかいないな・・・
むしろ今ではかけがえの無い人だ
ここなんだな
えぇ入って今では学校に行ってる時間のはずだし
あいつをここまで追いつめるのも時間がかかった
金も策も尽き果てて来週には放校処分だよ
くだらない夢と自尊心と一緒に社会から抹殺だ
でもなぜそこまで彼を
純粋に夢を追いかけてるのは人としてあるべき姿よ
お前も俺の男やめてあいつのもとにでも行くか?
冗談、辛気臭い夢なんてごめんなの
ははは、全く危険思想のある人間は叩いても叩いても出てくるな
突然何かが起き上がった
誰?
あなたもしかしてだって今日は学校じゃ
完成したんだ
いの一番に君に見せるつもりだった
本当さ
でも嘘、その優しさも言葉も偽善だったんだね
青年は静かに言った
おいおいお前なんかに本気で思ってたと信じてたのかよ
ま、これでも食らって楽になりなよ
そう言うと男は拳を振りかざした
当てるならここに当てるんだ
青年はカウンターで男の顔面に男が放った何倍もの威力のパンチをこびりつけた
クラスメイトの顔を見るなり悲しい表情で青年は部屋から出て行った
画廊に向かうといつもの少女
頬杖を付いて何かを待ってるようだった
青年が近づくと笑顔になって
両手を差し出してきた
そして
今は私、何も無いよ
君もそうさ
青年は予期せぬ言葉に
そうだよ俺は何も無いよ
でもいつかは・・・・
静かな午後に二人は自分たちをただ確かめあっていた
おわり
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