あ~ぁきょうも残業がしんどい
未だ学生な僕、お小遣い稼ぎと思いアルバイトを始めたけれど
結構大変だ。
ファーストフードを作る店。
そして笑顔でそれを売る店。
店内はいつでもピカピカにしておけよ
ちょっと最初に入った先輩は僕らを結構乱暴に扱う。
社会に出れば今までよりうんと責任は増える。
僕は社会勉強の一環も兼ねているんだ。
友達は二人
いつもバイトのメンバーが抜けると仕事の量を計算する理系の友達。
明るいけれどそれは皆に好かれたいためだと豪語する結構お調子者の友達。
かけがえのない支え
なぜならお互いに仕事を助け合っているから
学校も終り今日もバイト
仕事はカウンターの裏で調理、掃除、洗い物
タイムカードを切って厨房に向かうと
いらっしゃいませぇ~
自分の耳に甲高く響く愛想の良い声。
誰だろう、好奇心で覗くと
新しいカウンターの女の子
未だ馴れてないのか言葉遣いがたどたどしい
後ろでは先輩の女正社員が鋭い言葉で教えてる
こんな事も出来ないのかしら
全く元気だけは伝わるのにね。
自分の仕事に就かなくては
自分でもおいしいとは思う。
ここで調理する料理は、
ただ働いてる僕たちはその味をまもるためコストをぎりぎりまで削って働かされている
次の日も次の日も僕は働けど懐にはあまり入らない生活だった
ある日
休憩室で休んでいると
ゆっくりとドアを開ける音がした
見るとあの新人の女の子
軽く向こうから会釈をしてくれた
空気が少しほどけた
知らず知らずのうち話しかけていた
最近、仕事はどう?
えへ、未だ全然覚えなくて
わたし物覚えが悪くてさ
失敗したのは数え切れないくらい
今度コツを教えてあげるよ
こういう仕事は息抜きのタイミングが必要なんだ
ありがとう
あれ以来僕らは仕事に入る度にコンタクトをとりながら仕事をした
むろん男女間の関係はなく先輩と後輩それだけだった。
彼女の笑顔は晴れ渡る空のように曇りがなく
とても無邪気だった
声を聞く度胸が苦しいときもあった
きっと傷つくことをいつか経験するのだと
案の定
とても大きな失敗をしてしまった
1円たりとも会計に失敗しては苦労が水の泡な店
彼女は10000円という大きな額を気付けば間違って精算していた
落ち込んでるのかと思いきや
へへ、また失敗しちゃった
僕はただ見ているだけだった
ある日
同じ時間に入る時間帯なのに彼女はいない
先輩に聞いてみると
あぁ、彼女クビになったよ
中でも君には申し訳ないって
僕は憤った
何で止めてくれなかったんです?
そんなのわかるもんか
第一お前も見てるだけで彼女のこと避けてただろ
僕は自分を犠牲にするべきだった
蚊帳の外で彼女の痛みを見てみないふりをしていた
彼女の声は戻らない
ただあの笑い顔に出会うだけで幸せになれる
失って初めて気付いた事実
僕は心が痛いと感じた