2010年11月20日土曜日

ラヴアフェクト

大学の構内
普段何気もなく通る校門
忙しく男女が入り乱れながら光景を作る
男の格好はそこそこ
しかし女の格好はかなりイケイケが多い
ここは半分恋愛を求めて集まる場所でもある

おす
そう言って俺の方を叩くのは親友の田中
なんだ
昨日はだいぶ盛り上がったそうだな
いや
そうやって隠すところが遊び人の性だな

悪いけど今日は込み入ってるからまたあとで会おうな
そう言うと田中はゼミの教室へさっそうと消えた

誰か俺に目配せをしてるな
さっきから俺をチラチラと見る女
格好は清楚だが
まんざらでもないような気がする

俺は狭い構内ではかなりの遊び人だと名が知れている
恋愛観は人それぞれだが
俺は常に前を向いて生きていきたいし
横にパートナーがいて欲しいと思ったことは多分ない
かと言って女の本能に背を向けるのはかなり危険なことだと察している
クラブやサークルで知り合った女とはこれまで数えきれないほど経験した
皆割り切った関係を望んでいるのは確かだし
財布の中にはちゃんと避妊具を忍ばせている
しかし
最近ゴムを付けるのを拒む女が増えてきたような気がする
ゼリーやピルを勧め自由な性生活を謳歌するまでだった

ふと前を見ると
複数の男に囲まれている女
名前は冴子
こんなに貞操のない男が言うのも何だが
男が沢山くっついているほどつまらない女はいないと思う
ようx
軽く挨拶をすると
あんたまた文学部の女の子たらしこんだね
親の実家がさかなりの名門らしくてあんたの家に押しかけないといいがね
俺達はお互い自己責任でやっているんだ
覚悟のない人間とは関係は持たないよ
それより田中は?
ゼミの教室へ
また教授の尻追っかけてるんだろ
あいつは母性を感じる女性にしか寄り付かないからな
臆病なんだよ
自分を傷つけない優しいひとだけを求めてる
プラトニックラブだな

しかし俺も笑えなかった
母親との交わり
16歳の頃
普段キスくらいで止まっていた彼女が
突然暴発したのはこのころだった
風呂から上がった体を見せつけ
むりやりシチュエーションを盛り上げる
体のどこも熱くならない複雑な感情
ぼんやりと見ると母親
しかしよく見ると一人の若い女性
何時まで経っても射精できない
無為な時間がひたすら流れた
その頃だろうか
俺は女を一つの食料のように捉え始めた
周りくどい恋愛はゴメンだ
欲望を率直に唱える女性だけをひたすら相手をする
尾を引かないように避妊だけはしっかりとして

そういえば有の姿が最近見えないね
あぁ最近失恋したんだ
恋愛がもともと好きじゃない有を無理やりこじ開けてしまったんだ

好きでもないのにいつまでも何となく隣にいたんだろうな
あの何も言い出せない微妙な空気は見るに耐えかねんよ

あんたもあれくらい純粋だったら私から交際を申し込んだかもね
ははは
まんざらじゃないかも

俺は必要最低限の講義を受け
自宅のマンションでくつろいでいた
夜の12時を回ったところだろうか
突然チャイムが鳴る
誰だこんな時間に
ドア越しに外を覗くとだれもいない
何だいたずらか
俺は安心して外を確認しようとすると
パパ
静かな呼び声がした
見ると3歳くらいの男の子
なんなんだ君は
ママがいなくなったからパパのお世話になるの
俺は状況をいまいち判断しかねた
悪いけれど僕に奥さんはいないよ
そういうと思ってね
ママからこれ預かってきたの
そう言うと見せたのが写真付きのDNA診断書だった
一体どこで?
俺は頭の中がかけめぐってきた
完璧に避妊をしてきたのに
まるで密室で行われた完全犯罪のように完璧だった
俺は次第に動転した
ついに父親という自覚もなく父親になる
目の前が一気に暗転した一瞬であった

第二部へ

2010年11月18日木曜日

地平線

被告の犯罪は残虐非道かつ被害者の人権を無視し
遺族はおろか被害者にも呵責がなく
反省の色が全く感じられず
更生は不可能に近い
よって極刑をもって償う

被告
何か言葉は

一切間違いはありません
刑の執行を切に望みます

死刑の独居房に入れられた俺は
一人満たされた生活を送る
レイプ殺人三件
未遂八件
十分に死刑が求めれる犯罪を犯した
独居房の生活は孤独だと思われるが
看守の態度は致せりつくせりで
既に哀れみでも同情でもましてや可哀想でもなく
表情が既に悟りきっている

約三ヶ月後
法務大臣から執行のサインが降りた
俺は目隠しをされ
死刑台に登る
恐怖は微塵もない
皆温かい態度で望んでくれる
ボタンのブザー音がなった
一瞬目の前が真っ暗になり
次第に満たされていく感じがわかる
あぁこれが死ぬことなんだな

そして
次の瞬間

うぁぁぁぁ
俺はいつの間にかベッドの上にいた
体は汗で濡れ
まるで悪い夢を観ている錯覚だ
あら
起きたの

アンタ誰だ?

あらやだ
自分の母親の顔を忘れるんですもの
気がつけば一人の婦人
たしか俺は極刑で死んだはず

いつまでも同じ夢ばかり見るんじゃないよ
きっとガールフレンドをしこたま作ってるのを神様が見てるんだよ

俺は無限のループにいる
死んだと思えば誰かの胸の中
しかも自分は俺の母親だと言いはる
なんども死のうと思っても
結局ここに戻ってくる

ふふふ
振り向きざまに母が笑った気がする
何がおかしいんだよ
お前は可愛いからそう簡単には死なせてはくれないだろうね
俺はその笑顔を見ながら
なぜかひきつりながら笑いが漏れてきた
どこへ行っても限り無く続く地平線はある。

2010年11月8日月曜日

神様に一番近い男

あ~ァ暇だなぁ
退屈そうに寝転がって尻を掻く男
俺は30歳のプータロー
たまにはいる日雇いのバイトでその場をしのいでる
テレビをみる時間が日に日に増えてゆく

何だ青年
するといきなり人の気配がした
ここだよ
誰ですか、いきなり
見ると仙人のような人間がぼんやりと見える

お前の不抜けた態度が本当に許せんのだよ
僕はどうせ社会の底辺で寝転がっている人間ですから

お前は自分の使命を忘れたのだよ
何か
お前は神だ
は?
ここに産み落とされたのはきっと神様がお前に人を救う使命を与えたのだ
なんだかいかがわしいですが
とにかくこれから徳を積むぞ
速く出かける準備を
そして俺は久しぶりに外の空気を吸う
住民にはみんなあいさつをするのだぞ
なんで見知らぬ人に?
馬鹿者
みんなお前の笑顔を待ってると思え
そう言うと
今度は道端にあるゴミを拾え
なんで?
馬鹿者
社会のゴミの責任はみんなおまえのせいだ

こうして俺は理不尽な老人をつけた
あぁおなかがすいたな
コンビニで何か買おう
最近はこんなものでしか栄養がないな
安いジャンクフードをたらふく買う
567円です
600円から
33円のお釣りです
馬鹿者
お釣りは全部レジの募金箱に寄付するのだ
こんなこと人前で言えませんけどね
僕は一円たりとも無駄にできないのですよ
そうか
ならばその一円すらもない人間はどうする
この世ではな
お前の想像を絶する飢餓に苦しんどる人が大勢いるのだ
少しは想像しなさい

俺は涙ながらに寄付をした

すると携帯電話がなった

あぁ
今日はどうしようか
それはお前の彼女か

彼女ではありませんよ
よく話をする女友達です
そうか
ならばその子と結婚しなさい
なんてことを言うんです
あっちょっと今込み入ってるから

僕は結婚する意志はありません
そうか
じゃ、これから子孫を残さないというのかね
そんな
話が飛躍し過ぎなんですよあなたは、さっきから
お前は神の使命を与えられてるのだ
それをごろ寝でごまかした代償は大きい
じゃ次に行くぞ
俺は公園の草むしりにこれから向かう
なんだか理不尽なのだが
生活はリズムが出てきた
この際神だって何でもいいじゃないか
生き甲斐が生まれれば

2010年11月6日土曜日

2010年11月5日金曜日

2010年11月2日火曜日

2010年11月1日月曜日

果実の実る頃

ひとつ屋根の下で暮らしている私たちは兄妹
といっても腹違いだから兄とは半分血が違う
私はもう十六歳になった
兄は成年になった
いつまで一緒に暮らして行けるのだろうと指で数えてる

信じられない話だが
私と兄の部屋はひとつづきになっている
だからプライバシーはないのだ

あぁ大学の単位が足りないな
兄はいつも学校のことで悩んでいる
もともと勉強の不得意な兄が就職しなかったのは本当に驚いた

研究がしたいんだよ
呆れた
そんなら一生懸命ポジション掴んじゃいなよ

私はバイトのことで頭がいっぱい
将来留学をしてみたいからその資金を集めてる

今日も兄と同じヘヤで悶々と過ごしてしまう

何見てんのよ?
何か?
着替覗いたでしょう?
そうなのかないいじゃない見て減るものでもないし
それとムダ毛は冬でもちゃんと処理したほうがいいぜ

バカスケベ
実はねお兄ちゃんとは初潮が始まる前まで一緒に風呂に入っていた
兄は結構オープンな人間だから下半身とか特に気にせずに入ってきた
私はまじまじとそれを観察していた
たまにお父さんとも一緒に入っていたから
いろいろな形があるんだなと感心していた

私たちはまるっきり似ていない
母親が違うだけでこんなにも違ってしまうんだ
私は気づいていた兄に対する高鳴る感情が日々大きくなるのを
時々胸が締め付けられそうなんだ

兄は最近アダルトビデオをしきりに購入していた
たまたま再生が終わったとき出くわしてしまった
兄貴もこんなの見るんだ
彼女でもさっさとつくりなよ
お前こそ簡単に貞操を失うなよ

なんてこと
私は処女だ
兄は目を丸くして
ごめんちょっといいすぎたよ

兄は数日後彼女のような人を連れてきた
紹介するよこれがうちの妹
彼女はとても気高くて兄にはとても似合いそうもないお嬢様だった

私は気づいてしまった
二人は既に肉体関係を築いてることを

その夜
私はクラブにいた
名前も知らない人と関係が持ちたい
ひっきりなしにかかるナンパを拒まなかった
今晩やらない?
私は一気に気を許してしまった
気がつけば鈍い痛みが股間を迸った
君やっぱりはじめてだね
優しくしてあげるよ
私はその男を張っ倒した


家に帰って
お兄ちゃんは相変わらずごろ寝をしている
今日は遅かったな
済まない彼女とは散々関係をしてるんだ
兄は私の恋心を見抜いていた
今日は優しくするよ
兄は私を抱きしめようとした
何だ、俺じゃ嫌なのか
私は部屋を出て行った
涙が頬を伝った
他の男と寝たのはきっと彼女のジェラシーだ
もうひとつの声がこだました
ううんそんなじゃないよ
兄ちゃん大好き