2009年12月10日木曜日

あなたが言う、だから口を噤む

塾の講師なんて景気の影響をもろに受けるなぁ
それにこんなに子どもが少なくなってきてますます過当競争の時代だ
本音で言えばねまだまだ子どもたちにはいろいろな経験をさせたいんだ
塾なんて行ってる暇があれば外でいろいろな経験をすればいい。
俺は今まで乗るまで授業をこなしてきたよ
本音でぶつかり合うことなんて上でも下でもしなかった
だけど、もう限界に近いんだ
子供はますます自分の前だと舌を巻いて笑うし
塾の経営者は成績だけを上げることに躍起になるし

今日は違う授業がしたい
なぜなら、こうあるべきなんだという姿を今模索している。

教室に入ると
下を向いて答案用紙に頭を捻る生徒が一斉に顔を上げた

よし、終わったな
いつもなら集めろというべきだったが
分からない問題があったと思う
皆で相談して解いていいぞ

そういうときょとん顔で生徒はお互いの顔を見て
何だ、それならもういいのか答案用紙を集めるぞ

生徒は席をたった

その間に自分が用意した問題用紙を確認した

生徒はある程度終わったようだ

これからは先生がくる前に皆の力で解いてもいいんだぞ
ただし過程をしっかりと書け

そして
この問題用紙に好きなことを書いてみろ
この教科に対する不満でも好きな点でも何でもいい

生徒は表現力というものが如何に大事かということを知らないと思っていた
だからわざと漠然としたことをいっぺんやらせようと思った

流石に質問が出てくる
一行で終わってもいいのか
例文のない問題は気持ちが悪いとか

そして

ホワイトボードになぜ勉強を始めるのか?
という質問を書いて
次々に聞いて回った

将来のため
親のため
自分のやりたい事につながるため
学生だから
皆が応援してくれるから
いい大学に入れば羨望のまなざしで見られるから

俺は言いたかった
勉強は一生続くもので決して終わることはないことを

成長し続けるためにもどこかでくじけたときやり直せるためにも
今の勉強に夢を見出して欲しかった

しかし
学校の勉強がすべてではない、芸術もスポーツも同じくらい全力でやって欲しい
そしてその基本となるものが今ある、与えられた学校の勉強
いつか答案用紙を眺めてニヤリとする生徒が増えれば
自分のやりたかった事は完遂するのだ。

2009年12月3日木曜日

ふきげん

おめでとうございます
3000グラムの健康な赤ちゃんですよ

まわりの人達にはうっすら涙が浮かんでいた。
お爺ちゃんの待っていた長男の子供。
お父さんの待っていた長男。

喜びは言葉では表せない


お母さんの手のひらから離れるとそこは新生児室だ
同じような子どもが沢山いた。僕たちはテレパシーで通じてる

なんでお前はそんなに仏頂面なんだ?
そうよね、この世に生まれたのよもっと喜びなさいよ

ぶーぶーぶー
どうせみんなは成長するんでし
僕はこのまま年をとらず親の手のひらに戻るんでし

私なんて三人目の女の子だったからお爺ちゃんもおばあちゃんんも駆けつけなかったわ

おれなんて親父が仕事だからって放ったらかしだよ

ぶー
僕はずっとひとりでし
相入れることの出来る人はこれから生まれてくる妹くらいでし。

俺大きくなったらサッカー選手になるんだ

私はアイドルがいい

ぶーぶー
夢なんていつまでもモテないからいいんでし
僕はいつまでも夢を描くことしかできないんでし

人は自分の為に涙を流してくれる
でも自分はなかなかひとのために泣くことはなかった

部屋から出るときせめてこの不機嫌な顔だけは直してゆくべきだった
仲間とは離れ離れになったけど皆元気でやってる。
それが伝わっているから
なんとか嬉しい
喜びは普段自分では分からない部分で伝えているのだろう
だから僕は幸せに満たされている。

おわり

2009年11月12日木曜日

サバイバルクライマックス~Endless sorrow

ビルの雑居地帯
垂直に伸びた隙間の下
男はセイフティをはずした

そして銃口をを毅然と立ちはだかる一人の男に向けた
静かに朽ちて行きそして誰にも知られずに終わりたい
気持ちは殺意とは裏腹だった

しっかりと狙ってくれ私は人間だからね

何人、人が死んでも国が亡くなっても自分はなんともなかった
ただ体はしっかりとあの表情を覚えてる

もう自分には人は殺せなくなっていた
震える指は次第にゆがんだ風景と変わっていた



サバイバルマックス
カルトな人気を誇りお茶の間の視聴率を独占していた

奴隷が奴隷と殺しあう
すでに人権を剥奪された人間なら何をやってもいいという法律のおかげで
凶悪犯罪者、人種、迫害されている宗教徒、精神異常者


男は生き残った
生まれつき名前も国籍も親も最初からいなかった

人工的に作られた試験管ベイビー

男は自分の素性を悲観はしなかった
それ以上に不幸な人間は五萬といたし
食うか食われるかの弱肉強食の世界
そんなことで悩んでいればたちまちカモだ。


視聴者の欲求はますますエスカレートした
サバイバルはチーム戦と化し
3対3の協力バトルなった

もちろん勝ち残れば次の戦いとご褒美があった。

男は丁寧に防弾チョッキを着て
入り口のレジから銃を受け取る

アナウンスと同時に仲間が寄り添ってくる

自爆テロをミス未遂し宗教犯罪者としてつかまったティム
通り魔でこれまで9人を刺殺した明


どれも顔だけを見ればそんなことは絶対にできないと思う人間ばかりだ

俺達には最初から正義などない


笛が鳴った


菓子売り場のほうから銃声が鳴った

おい

あぁおれがいく
明はサイレンサーを搭載した二丁拳銃でゆっくりと前に進んだ

ルールでは一発だけ手投げ弾を使っていい

ティムは大胆にも手投げ弾を奥のスポーツ用具売り場に投げ込んだ

ドガン
乾いた怒号の後、一人煙にむせて出てきた


敵だった

冷静にティムは足だけを狙ってしとめた

残るは二人俺達は結束感と同時に一瞬気のゆるみが生まれた

2009年11月11日水曜日

自分の私~Wake me up

今は昔の時代
まだ人と人の間に隔たりがなかった時代

話すときも畏怖もなければ疑いも警戒もなかった。

村に一人の青年がいた
名前はヤーガー
ヒョッコリ抜けた身長にあどけない顔
それとて憎めない人間だけれどどこか違うものを持っていた

彼は近くにいるだけで人を幸せな気分にできた
幸せの概念というのは千差万別だから
ヤーガーはなぜかうれしかった

だから人を幸せにすることを探求するようになった

そして、人々はある種の危惧を抱いた
ヤーガーはいつかいなくなるのでは?

しかし、一度つかんだ幸せというものは放したくない
村の人間は話し合った挙句
ヤーガーに冷たい仕打ちを始めた
何もできないくらいにつらいことを押し付けたり
傷みを見せた
もうこれ以上彼の幸せを広めないために

ヤーガーは深い悲しみに沈んだ
人を幸せにすることがこんなにつらいことを生み出すとは

そしてその瞬間はやってきた
悲しみは憎悪になって爆発し
ヤーガーは怒り狂い虐殺を始めた


目に留まる人を殺しても殺しても怒りは静まらなかった

人々はそれを見て自分を守るために言葉を作った
そして何種類も何種類も分けることにした

ヤーガーは力尽きた
意思の通じないものにあたったところでどうしようもなかった

人々は後でどこがおかしかったのか検証するだろう
幸せこそが憎しみの温床だったのか
人を大切にすると独り占めにしたいは表裏一体なのかを


ヤーガーの子孫は生きているといわれた
しかしその証拠はない








部屋で寝そべって中古で買った古文書を読んでいる
だからこんな夢を見たのかもしれない
最初は意味のわからない話でも何度も触れるうちにかわいくなってくる

想像以上に奥が深い

仕事は滞ったまま

机の上には山ほど片付けられない調べ物の難題がある

依頼はコンスタントにどんどん入ってくる
歴史が変わるかもしれないとか
これはぜひ調べるべきだ
君たちの未来につながるなど

宗教は足を踏み入れると底なしだと思う
だから一定の距離を保ちつつこの町、そして視野を広げ大陸や半島まで視野に入れ調べようと思った

2009年10月23日金曜日

隠すことのできないもの

採血の時間です

そう呼ばれたのはまだ20前後の青年

身長の割に体は細身で何かにおびえるように小刻みに震えていた

ナースルームに入ると自分の母親くらいの年齢に見える女性が立っていた
あら
とつぶやくと

ここに腕を置いてくれる?

青年は迷いもなく左腕を台の上に置いた。

注射は久しぶりかしら?
その女性は笑顔で話しかけてきた

だってあなた怯えてるもの
そういうと青白く華奢な腕を台の中央に引っ張った

取り出された太い注射針のついた注射器

もう見慣れたはずだった注射器

静脈の場所も入る瞬間もよくわかる

吸い取られた血液はすぐに解析される
女性はアルコールのついた脱脂綿を腕につけ

こうつぶやいた
よかったねもう少しで自分に勝てる

青年は全てを自白するために来たわけではなかった
ただこれ以上薬物に汚染されてくからだと精神が耐え切れなかった。

誰でも隠しておきたいことはあるだけれども誰でも察してしまうこともある

青年は赤い斑点のある自傷までしてしまった右腕を隠すのをやめた

2009年10月16日金曜日

ある彼女と出会って別れその時間を失った

それ以来
食べるもの囓るもの全てに味がない
描く絵にどれも色がない
見る映画どれにも涙がない

近所に買い出しに行くたび
彼女と連れ添って選んだ果物屋と野菜屋の棚

今やどれでもいい

後ろ姿が立派に見えるほど頼りなかった
その時見せる笑顔が
この世界の俺の唯一の救いだった

無くなって気付いても大切さに気付くだけ

いつか笑って飛ばせる日が来るだろう
一人の人間に夢中になり体の痣や染みのように残された思いで

精神がよりどころを求めているのは確かだった
俺は夜空の下神様に願った

これ以上の出会いは欲しい
これ以上の思いではいらない

2009年9月29日火曜日

Happy baker

In the silence town

on the second floor sound
a girl sigh

whoo
I want to share happy everyone
because I have many dream

But she has no skill
Desire grew up day by day

She was born to bakery shop
old days she has been watched parent works

Yes I will imitate parent doings
Now I can do that
She started bake a cookie and bread

Just a simple works but full of love
OK just selling later
She find a place for sell her heart

To be continued

2009年8月30日日曜日

涙がふるる

お元気ですか?私の憧れの人そして愛しい人。
何度も街で後ろ姿を見てはため息をつく
自分の今の存在には気付いてももらえないでしょう。
今度あなたの新作を拝見しました。
いつもの事ながら自然と涙が出てきます、あなたは今大きな何かと戦っているのですね。
曇り一つ無い言葉遣い、でもぶっきらぼう。
でもあなたの流麗でもの悲しいタッチが私を揺さぶるのです。
少しお酒を飲んで眠ります。あなたの幸せを笑顔を想って。


都心から離れた湿地帯、まだ伐採していない山のど真ん中にある丘陵、
そこに親父の墓はある。

鈴さんと一緒に今日は墓参りに来た。

親と同じ墓には絶対に入れないでくれ。
親父の遺言通り
真新しい墓をつくった。この世でまだ必要としている人間がごまんといる親父の。
来世や天国や地獄があるかはわからない。
しかし、親父は何処にも行かない気がする。
いまでもこの瞬間でも親父は鈴さんや俺、今でも慕ってくれる人間を見守ってくれてる気がする。

お寺のお坊さんに少し挨拶をしてきますね。

鈴さんは丁寧に頭を下げ颯爽と消えた

線香の煙がたなびく真新しい墓。
大切にしてくれた人間を少し思い返しただけで涙がこぼれた。

2009年8月16日日曜日

未来

一人暮らしの僕、今日引っ越したばかりの僕。
窓にはまだカーテンのない窓ちょっと薄汚れた壁。
台所にはまだ誰かの使った跡が残ってるようだ。
一階の部屋だから日光はあまり期待は出来ないそれでも僕は持ってきた
観葉植物を
お風呂はシャワーと手狭な湯船、洗面所
何かと彩りが欲しいから手元に置いてみた
熱帯魚を
6畳のリビングルームここで何もかもが始まる
一人で笑うことはやはり不可能だから
堂々と鎮座させてみた
ハイビジョンテレビを
能動的にはやはり人間誰もがなってみたいものだから
近所の迷惑にならないならと持ってきた
ストラトキャスターを
もうこれ以上挙げるときりがない
自分の生活は何かとすることが多いけれど
これ以上にもないことをいつかやっているような気がして

次第に空気は変わってきた
会社や友人関係で疲弊してきた
自分の本当にやりたいことは出来なかった
だけど一生懸命やった
それでも無理だった、嘘はつけなかった。
生活から彩りが消えた
植物には水をやらず
熱帯所の水も換えず
テレビも見なくなり
エレキギターも放り投げた


遠いある日夢を見た
おはよう
お帰りなさい
お疲れなさい
今日は気分が悪そうね
誰かに日常的に話しかけれている。
こんな暖かい言葉今まで待ってたのに
ずっと待ってたのに


また引っ越しをするとき
ものを処分するときが来た
整理をしてるときつい眠ってしまった


ひどいよ
あなたは所詮ものをものだと思ってたんだね

上手くいかなかったのは周りのせい
僕は・・・・そのことばかり思っていた

新しい生活がまたはじまる
僕は気付いてるようで気付かなかったんだ
ものを言わない植物でもずっと自分を見守ってくれた
水槽を泳ぐ魚も僕のリズムを作ってくれた
テレビは対等に人と接することを
ギターは僕と調べをともにすることを心待ちに


やり直せるかなんかじゃない
自分の身の回りから貰った恩をこれから全力で返すんだ

少しだけ周りが明るくなったような気がした

おわり

2009年6月28日日曜日

駆ける~芳春

午後をちょっと回った喫茶店の店内
二人組の男女が顔を合わせて談笑していた

ねぇきいてる?もうさっきから目をそらしてばっかなんだから
でも就職が決まって良かったね。おめでとう。

今は自由業の段階だから何とも言えないな。
それに自分に才能のかけらなんてこれっぽっちもないし

嫌いなの?作家の仕事

物語を突き詰めていくと考えてはいけないことまで手が伸びて
それで追い詰められ生きる術を失ってしまう

私は追い詰められているときでもあなたが頭を抱えてるときも全て好き
だって走ってるじゃない、夢中な人って目に映るだけでもすばらしいわ

朝木は思い返していた親父の背中、いなくなった母、後妻の鈴


なんだこれは?

友達と一緒に作ったんです粘土の模型
近所のおねぇさんがモデルです

こんな訳のわからないことをするくらいなら読み書きをしっかりしろ

そう言うと父は粘土を処分した

教養は全て書物から入れなさい

父の教育観は押しつけがましかった
けれど尊敬していた

書斎で頭を抱えながら父はいつも何かをしていた
いつも毎週決まって父と外食に出かけるのが楽しみの一つだった

一緒に流しそうめんを食べていたとき

おいしいか?朝木
体をしっかり作るんだぞ

箸があまり進まなかった父
この頃から心労と結核を抱えていたと思う


一人の世界に入っているのは俺も同じだな
今現在、複雑さを増す社会と自分の関係

朝木はもう一度父親の残したものを確認しようと思った

2009年6月6日土曜日

セイムプレイス セイムワールド

今日もご苦労さん。

へへ仕事が始まる前にそりゃ無いよ。

そうだな、なんだか今日も景気が上がればいいけれど
あっついでだけど今日の朝刊買ってきてくれる?
無性に読みたくなっちゃって

わかったよ、ちょっとばかし急いでくる

男は食品工場に勤める30代
ただがむしゃらだった
未来は何となくうすぐもった晴れ
今日もそんな天気だった。

あぁここの信号かわるのずいぶん長いんだよなぁ
原付だし
まぁちょっとくらい

突然轟音とともに運命が待っていた
スローモーション
近づいてくるタンクローリー
光が飛び散った


ねぇ、彰ったら
う?
早く起きてよ、今日は定期検診の日でしょ

なぜか大きな夢を見ていたようだ
運命
2度目の命を運ばれたこと
母さんは自分の面倒を甲斐甲斐しく見てくれているが実際は誰も寄せ付けたくなかった
社会を自分という存在に

世界がどうあるのかは知らないが立ち入らせてはくれなかった

週一回の診断
先生は生活面だけではなく精神面へのケアもしてくれる
だから遠慮無く将来への不安を打ち明けた

そうだね職業訓練学校のへの斡旋もあるが
もっと心の静養をとってみるのもありかもしれない

・・・・

君の感受性は変化したばかりだ本当にやりたいことが見つかるかも知れないし

先生、俺はこの猛スピードに変化した世界でどう生きて行けばいいのか悩んでます

それは健常だった頃でも同じような心境だったと思う

具現化した世界はまるで自分の心を鏡に映したかのようだった
かけがえのないもの今こうしてたくさんの人間に囲まれ支えられている事実だった

2009年5月29日金曜日

At the party


何層にも連なる高層ビル。今朝も排気ガスの湯煙が上がる。
ちょっと深めのコートに身を包んだ老人が路上で販売している果物屋に話しかけられていた。

会長今日も良い天気ですね。これ包んどきましたどうぞ。

ぱんぱんに膨らんだ紙袋を老人は受け取ると

うんありがとう。
小さく会釈をしてある高層ビル、大企業の本社の入り口へと足を入れた。

受付でチェックインを済ますとビルの最上階にある自分の部屋へ

ここが今は一番落ち着くな・・・

そうつぶやくとコートを脱いで自分の手すり付きのふかふかした椅子へと腰を下ろした。

しばらくすると秘書が現れる

会長、お久しぶりです

うん、今日は晴れ晴れしいね。
早速だがスケジュールを教えてくれ

一時よりSWE社のワンツ会長と会食を
その後は株主様のシンポジウム
夜は政治家の木村様のパーティーが。

そうか・・・今日の夜はうちの孫の誕生日らしい
可愛いが、とんと自分の顔を覚えてない。

会長、それともう一つ
例の商品開発部長が至急10億円の開発資金を要求していますが

いいよ

は?

自由にやらせればいい。
私に出来ることは今まで釣った魚を放流すること

私は彼を信用しているし夢を持っている人間を資金面で困らせるようなことはしたくない。

はい、もうしつけておきます。

老人は紙袋をまさり、いっかのレモンを取り出した
シャクリとそれをほおばると涙が一粒落ちた。


皆天国へ行ってしまった、私の敬愛する人は。
もう自分は生まれ変わることなど無い、
私に最大の贈り物をしてくれた。

綺麗だよ。
今この目に映るものも
美味しいよ
この果物も

老人は少年のような目で黄昏れた。


街から外れた閑静な住宅街

その街の中に一校だけ高等学校がある
私立でお嬢様しか通えない学校とされている


ねぇうちさぁ、今日誕生日パーティするんだ。

本当?

兄さんは多分彼女とデートだけどおじいちゃんがたまに帰ってくるの。

美咲のおじいちゃんて確か大企業の会長じゃなかった?

よく知らないよ、でもプレゼントが豪華なんだ
みんなびっくりするくらいの。

それくらいしか印象にないなぁ、でもいい人なんだとは思う
無口だけど、私の顔はよく見ていた。

あんたも来る?
そう呼んだのは美咲がライバル視している祐子

私はいいわ

そうよねあなた自分のこと以外無関心だものね。

この言葉が気に触ったのか
突然目の前に現れた

行かせて貰うわあなたの誕生日パーティ
でもお祝い事だからお互い親しくしましょうよ

そうこなくちゃね

美咲は舌をぺろりと出した。

2009年5月27日水曜日

ホログラフィックツリー

もう30年以上前
東南アジアの密林地帯
未だ未開拓の地域を調査しようと
日本のある大学の探検隊が足を踏み入れていた

既に地球上で調査されている場所など無いくらいに思われていたときにその村はあった。
住民は皆やせ形だが恍惚の表情に満ち常に何かを追い求める少年のような若若さを皆持っていた。

調査隊は最初、住民からは蚊帳の外扱いだった
しかし、長い歳月を重ねるごとに親睦は深まり
ある事実を教えられた
ここには数十年に一度実る果実がある
それには不老の精神が宿っている。
馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
その村の住民の秘密を信じようとしない探検隊は半ば諦めた状態でその村を去ろうとした。
しかし残ったものがいた。

18歳の少年
村の住人にある日案内され
歪曲な崖やまるでその植物をまもるかのように生い茂ったジャングルを抜けると
その果物はあった

少年は自分の目が俄に信じられなかった
果物は小粒で色が何色にも分かれていた

今は怒りの季節だな。住民がつぶやくと
カラフルに生い茂った小さな小粒を一つちぎって与えた。

おそるおそる食べるとその果物は香辛料の辛さと強烈な甘みがおそってきて
何ともほてった気分になってきた。
あまりの経験に少年はもう一粒に手を伸ばそうとしたが

だめだ、ここで食べられる量は決まっている。この木はいろいろな植物から栄養を借りて生まれ生きている。
だからこの木は一本しかない。貴重なんだ。

後からおそってくる麻薬のような飢餓感
少年は一歩間違えればこれは争奪戦にもなりかねない不思議な魔力を見いだした

そしてその夜、村では大火事が起こった

全ては焼き払われ住民のほとんどは焼け死んだ。
少年ももちろんその中の一人だった。




現代
飛行機の着陸する音がかまびすしく鳴り響く夜

繁華街で二人の青年が紙幣をせわしく数えていた


よくやったなぁ治夫

いやぁ今日の手柄は中さんのおかげだよ

とりあえず
山分けといこう


はっはっはっはっ

どうしたんだい?

今日の仕事はもうだめかと思ったよ
物を隠した場所が盲腸の手術跡だったからな。

傷口がうずいて、うずいて

なぁ、中さん

ん?

俺さぁこんど結婚する事になったんだ
とてもしおらしくてもちろんそこらの女じゃ比べものにならないほど地味だけど一途で
これからもずっと大切にしたいんだ

・・・

俺もそろそろこんな仕事に見切りをつけて明るい未来を満喫したいんだ

そうだなそろそろお前も潮時だな。
何か新しいことをやってみろ。

うん、そうするよ。

夜は終わる。

2009年5月22日金曜日

2 Strikes

The high school baseball game began

Pitcher is near the hang up .his name is konita

Konita is thinking

Yeah Im not losing absolutely win

Score is 0-0

9bottom

Count 2strikes 3 ball full base

Not forgive four ball

Catcher sign is in course slider

But

I dont want to escape

This is the judge

I will throw straight

Batter is in to the left box

Konita is right pitcher

A little advance batter

Hehehe

May be he throw straight

His eyes like a rushing cow

The motion ready for throw

He begins throw the ball at the shoulder

Yes Its a my order

Batter hit the ball

Konita closed eyes

The moment is unbelievable

Catcher and batter lost ball

Oh where is the ball ?

I confirm hit the ball

The batter struck out but reached first

The game is over

When third runner run the home base

He found the ball on the white home base

2009年5月16日土曜日

I want

3 old years girl enter the store

Hey please one ice cream
topping is.....

The salesman coming out

uhhh..
Should I select this chocolate ?
I want to eat mint source

Oh this is pretty customer
Otherwise do you have a money?

My mother will come immediately
Don't worry

Yes I decided
Everything I want

What?

Therefore I want to buy everything all there

If which you can please you buy

mom It's Ok come in come in

Slender lady appears

This is the check
This store already is mine

a girl says
Good bye and see you on this store next time

Oh shit !

2009年5月11日月曜日

リフレイン

ほら彰、あんなに山からの風景は綺麗。

あぁかぁさんそうだね

ここで昼食でもとりましょうね。
待ってて車からとってくる。


いつからだろう車や他人の歩くスピードがジェットコースターのように感じられるようになったのは
俺はあの日以来人生ががらりと変わった。
五体満足だったとき、でも時間を垂れ流すだけの空虚だった時代。
バイク事故で下半身の自由を失うまで・・・

気付かなかったことに囲まれすぎていた。
いますって吐いている空気もおいしい

一歩も自分の力で這い上がることが困難だからまるで赤ん坊のように未知なることだらけになった
そして人間関係の絆を知るよい機会にもなった。
去って行く人もいたけれど、残った人はみんな自分を誇りにしてくれた。

あれ以来感受性も花開いたのだと思う。
何気ない日常にたくさんの出来事を感じるようになった


お待たせ、今日はサンドウィッチにしてみたんだけど好きかしら?

あぁかぁさんの作るものなら何だっておいしい。

駐車場の展望台から眺める街、体が未だ自由だったとき何度も訪れた。
人間は意識し始めたときが始まりだと思った
それまで水道の蛇口からひねれば出てくるもののようにとらえられていたから

かぁさん、もう帰ろう、家族が心配するよ

そうね、あなたは自分の時間の大切さを誰よりも知ってる

事故にあってショックだったのは家族も一緒でこれからだと思った人生が急に足下が泥だらけになった。
障害者に対する偏見は見えないところで大きい
目を合わせる度ばつの悪い表情をいろいろな人から浴びせられた。

傷ついたと言うより悔しかった。
なぜ周りの人間をもっと真剣に見なかったのだろう

都合の良い人間は皆あっさりと去っていった

彰、あまり考えるのはおよしよ
かぁさんは自分が神妙な顔つきをしているときはどうにもならないことを考えていることを知っている。
車は三キロ離れた小高いおかの麓にある自宅へと進む




この書類、ボランティアから回ってきたのね
担当は・・・


はーいこっちです

区役所の窓口に新人の若い女性

こっちの窓口はまだかのう

はーいただいま
え~と障害者手当の支給ですね。この部分に署名と捺印を。


私は今一番充実していると思う。
仕事は先輩の雑用と事務手続きだけれど
人に囲まれて自分が活躍できる場所を与えられていることが幸せ
何となく今の仕事が好きだから将来はもっといろいろな人に囲まれたい


学生時代から全てが一期一会だと言うことを悟り、思い出をたくさん作ろうと心がけた
今もそれに支えられている

則子さん

はい、何でしょう?

今日は障害者のスポーツ大会があるんだけど見に行く?

いいですねぇ、是非

思い出作りはまだ始まったばかりだ。

続く

2009年3月24日火曜日

あなたがいなければ意味がない

あ~ぁきょうも残業がしんどい

未だ学生な僕、お小遣い稼ぎと思いアルバイトを始めたけれど
結構大変だ。
ファーストフードを作る店。
そして笑顔でそれを売る店。

店内はいつでもピカピカにしておけよ

ちょっと最初に入った先輩は僕らを結構乱暴に扱う。

社会に出れば今までよりうんと責任は増える。
僕は社会勉強の一環も兼ねているんだ。

友達は二人
いつもバイトのメンバーが抜けると仕事の量を計算する理系の友達。
明るいけれどそれは皆に好かれたいためだと豪語する結構お調子者の友達。

かけがえのない支え
なぜならお互いに仕事を助け合っているから

学校も終り今日もバイト
仕事はカウンターの裏で調理、掃除、洗い物

タイムカードを切って厨房に向かうと

いらっしゃいませぇ~

自分の耳に甲高く響く愛想の良い声。
誰だろう、好奇心で覗くと
新しいカウンターの女の子
未だ馴れてないのか言葉遣いがたどたどしい

後ろでは先輩の女正社員が鋭い言葉で教えてる

こんな事も出来ないのかしら
全く元気だけは伝わるのにね。

自分の仕事に就かなくては
自分でもおいしいとは思う。
ここで調理する料理は、
ただ働いてる僕たちはその味をまもるためコストをぎりぎりまで削って働かされている

次の日も次の日も僕は働けど懐にはあまり入らない生活だった

ある日

休憩室で休んでいると
ゆっくりとドアを開ける音がした
見るとあの新人の女の子

軽く向こうから会釈をしてくれた

空気が少しほどけた
知らず知らずのうち話しかけていた

最近、仕事はどう?

えへ、未だ全然覚えなくて
わたし物覚えが悪くてさ
失敗したのは数え切れないくらい

今度コツを教えてあげるよ
こういう仕事は息抜きのタイミングが必要なんだ

ありがとう


あれ以来僕らは仕事に入る度にコンタクトをとりながら仕事をした
むろん男女間の関係はなく先輩と後輩それだけだった。

彼女の笑顔は晴れ渡る空のように曇りがなく
とても無邪気だった

声を聞く度胸が苦しいときもあった
きっと傷つくことをいつか経験するのだと

案の定
とても大きな失敗をしてしまった
1円たりとも会計に失敗しては苦労が水の泡な店

彼女は10000円という大きな額を気付けば間違って精算していた

落ち込んでるのかと思いきや

へへ、また失敗しちゃった
僕はただ見ているだけだった

ある日
同じ時間に入る時間帯なのに彼女はいない

先輩に聞いてみると

あぁ、彼女クビになったよ
中でも君には申し訳ないって

僕は憤った

何で止めてくれなかったんです?

そんなのわかるもんか
第一お前も見てるだけで彼女のこと避けてただろ

僕は自分を犠牲にするべきだった
蚊帳の外で彼女の痛みを見てみないふりをしていた

彼女の声は戻らない
ただあの笑い顔に出会うだけで幸せになれる
失って初めて気付いた事実
僕は心が痛いと感じた

猫の世界、犬の社会

君は近々クビか減俸だな。

社長直々にまたも怒鳴られた。
無理もないまた会社の命令に背いてしまった。
あの女性、パブリックロイヤルの五十嵐という女性に三年契約の更新をしてしまった。

お前、一体誰のおかげで飯が食えてるんだ

社長はもう止まらない
その日一日はさんざんだった。

一度会社を見に来てくれませんか?

そう言われたのは三日前。
私永物不動産の服部さん。
誘われるまま会社の前で待ち合わせ。
するとバイクのクラクションの音。

ここですここです。

ヘルメットをかぶっていて顔はわからなかったがバイクで迎えに来てくれた。

へぇバイクなの?

えぇこれならじゅうたいを気にせずにいけますから。

後部座席に座るとバイクに乗るのは久方ぶりだと懐かしくなった。

服部さんの会社はオフィス街から少し離れた物件。
ビルは三階建てだけれど床面積はある

ここの二階がオフィスです。
ドアにキーカードを挿して開けた。

観葉植物がいっぱいあり一人一人のスペースがゆったりとあるオフィス。
しかしなぜか人はまばらである。

あ、フレックスなの?

えぇコアタイムはありますけれど好きな時間に仕事をしてます。
応接室はこちらです。

窓の大きな部屋に入るとコーヒーが出てきた
一息ついて、

今日は仕事の話ではないんです
ただ我が社の雰囲気を感じてもらえれば

服部さんの指に恐ろしく巨大な宝石がちらついていた

その指輪・・・

えぇ報奨金で買いました。
結果を出せば個人の物ですから

ここは若い人だらけだけど、定年は何歳?

厳密に言えば自己責任で辞めてもらってます。
どんなに有能な人でもやはりお年を召されていれば若い人の差し支えになりますから。

俺は気まずかった
ただふんぞり返ることだけが自慢の上司
一体彼らに何を求めればいいのか?

あのこれからお食事はどうです?
タイ料理のお店でおいしいところ知ってるんです。

人間は最初に感じた直感を大事にすべきだ。
服部さんにあったとき
まるで甘い声を出して近づいてくる猫のような不思議な感覚だった。
呼ばないときにしか近づいてこない彼ら。
不安と好奇心が混じる複雑な気持ちだった。

2009年3月17日火曜日

Grand center

監禁されている程度なら未だましなのかもしれない
何処にいるかわからなくてもそれで良い
いつ何処でも見守ってるか?何人いるのか?
確かにわからないのは嫌だけどそれで良い

口を塞がれたまま目を開けたままあなたはじっと眠らされてるんだね



目覚ましの音が聞こえたような気がした
机の上でもたれかかっている
缶コーヒーが二、三本転がっているのに気付いた
そうかまた調べ物が一斉に来たんだっけな・・・・

仕事をやっているときが一番の生き甲斐を感じるようになってきた
ただがむしゃらだけれどひたむきな自分が何となく好き

もう自暴自棄に生きてきた時代と決別をして誰かのために生きてゆく
むろん自分が幸せになるために

調査する範囲が多岐にわたるにつれここら一体の歴史もわかるようになってきた

古来から異国の窓口だった時代
こうろかんや港町の名残がある

第二次世界大戦のとき斬首刑が行われた場所
在任や捕虜を生体実験した場所等

華やかな名残もあれば生々しい名残もある


そうそうこのレポートを書いている最中にも依頼人から電話がかかってきた

至急私の部屋からレポートを取りに来て欲しい

家の近所にある大学の構内
依頼人は教授であるからわざわざ研究室まで足を運ぶ
部屋では依頼人がほおづえをして待っていた

やぁよく来てくれたよ
最近仕事が順調のようじゃないか

えぇいろいろなチャンスだと思って思い切りやらせて貰ってます

辺りを見回すと相変わらず整頓されてない本棚に囲まれ少しいるだけで吐き気を催す
それくらい繁雑だった

お菓子 いろいろな人から一杯貰ってるんだ
好きなの食べてくれ
お茶を入れてくる

そういって部屋から出ると俺は机のレポートに目をやった

人造霊魂

昇らなかった魂の行方

処女受胎


宗教の造語のようなタイトルが並ぶ


確か人文科学の教授だったよな
しかし範囲が多岐に及ぶほど
自分の頭は支離滅裂になる
依頼を受ける度自問する
自分の専門分野を

そうだ自分が知りたいものそれは人間

今こうして生きている間にも何かに近づいている
一瞬だけ垣間見た閃光
追いかけてくる夢 予感 幻覚
全てを紡ぎ合わせ司る答えをいつかみたい

もどかしいが今でももがいている
だから夢に従った
逃げる場所がそこにしかなかった

傷というものは目に見えるもの感じるものがそうだと考えない
無意識に何処かにある自分の傷は広がり始めていた

もう十年以上もまえのこと


やぁお待たせ
さぁたべよう

颯爽と依頼人は戻ってきた
ほのぼのとした空気が包む

あは
光男(助教授)のやつ賞味期限が切れてる饅頭混ぜたな
なんか酸っぱいよな

俺は苦笑した

2009年3月12日木曜日

contemporary

むかしむかし体は不自由 でも豊かな国の王様がいました
王様はふとまちを見たときあまりに不自由な生活を強いられている人が多いので
免税をしました
特に貧困者に

国は弱体化しましたが国民の反応はよく王様は喜びました

ある日戦争で帰ってこない夫がいると民の声を聞き王様は徴兵を廃止しました
民衆は大喜びです
しかし国は誰かに守って貰わなくてはなりません

王様の国は貧困にあえぐ人々は未だたくさんいました
王様は切り詰めていた財産からそれらを細切れにして民衆に渡しました

しかしこれが失敗でした

民衆が今までの施しが当たり前のことだったと勘違いをして

お礼も言わなくなり
しまいにそれが無くなると
不満をどんどんぶつけてくるのです

怒った王様は
税収を確保するために弱いものから切り捨て金持ちを優遇しました

徴兵も容赦なく行い
自分の身すら守れないものは政治に参加する資格はないと選挙権を与えるのは
税金を納める男だけにしました

理想の国に近づいていたのにいったい何が悪かったのでしょう
行き過ぎた行政

また保護を正当な権利とはき違えた民衆に問題があった

モラル(隣人愛)という言葉は早すぎた時代だったのかもしれません

2009年3月11日水曜日

Rental happy

私は顔もわからない同級生と待ち合わせをしてしまった
どうしようかと少し迷ったけれど家族の人はみんな笑顔で行ってらっしゃいと促してくれた

駅のロータリー
未だ息が白くかじかんだ手を温めていた
そのうちに時間は過ぎてゆく
楽しそうに並んで歩いてる人たち
私は流されるようにひたすら待った
どれくらいたっただろう寒さで時間を忘れてしまった
意識が遠のいてゆく

突然背中をポンと押された

やぁこんなところにいたのか
僕は反対側の入り口で待ってたよ

突然出てきた彼は初対面とは思えなかった
まるで幼なじみが大きくなったような懐かしい感じ

温かいコーヒーでも飲んで暖まろうか

彼は優しく自分をエスコートしてくれた

ドーナツショップで飲むコーヒーはなんだか特別なことでもないのに
彼となら思い出に変わりそう

だってね彼は一時たりとも私から目を離さず笑ってるんだもん

窓ガラスから見える夜の雑踏

今度さ一緒に映画なんて行けたらな

映画なんていつでもやってるよ

ほらおまえと昔見ようと思ってた映画、もうロードショーは終わったよ

何処かの時計の針が終わりに近づいている気がしてきた
その時時間も空間も真っ暗になった

私は気がつくとICUのような部屋にいる
ハーネスを体中につけられ脳波のようなモニターが見える
天井にはレンズが大きく目を開けている

気がついたのね
よかったぁぁぁぁ

誰かが泣き崩れる声
しかしその後

残念ながらお母さん彼女の寿命は後数時間足らずです
最善を尽くし真の安楽死を目指します

誰の声だろう安楽死って私・・・・

するとまた景色が変わった
ドーナツショップで彼の前にいる自分だ


好きだよ
突然だけど
まえから知ってたみたいだけど
お互い素直じゃなかったからここまでくるのに時間がかかったね
プレゼント
開けてみてよ


小さな包みには今まで私の人生を記録した写真

大事にとっておくよ僕もその思い出とともに

私は泣いていた

待ってよ
私は思い出をこれからもずっと作り続けるよ

これからは僕たちと別の世界で幸せになるんだよ

私は力が抜けるのを感じた
そう
幸せを買ったんじゃない

幸せをみんなから貰ってたんだ

終り

2009年3月10日火曜日

僕はどこから来たのでしょう 

お腹いっぱい食べた
力いっぱい走った

昨日も今日も
でもあなたの前じゃないと意味がない

自分の幸せはあなたが微笑むことだから






暇だな
あれ以来仕事は全くといっていいほど入らない
少し自分のエゴを出し過ぎた

次ぐにつなげるにはどんな依頼も引き受けなくてはいけない
机の上の携帯に着信が入っている

実家から母親の留守録
食事はどうしてる?いつでも困ったことがあるなら帰ってきなさい

言葉では言い表せないが非常にむせた気分だ

泣きたいのに泣けない体質そんなものが宿ったのはいつ頃だろうか?

着信には未だメッセージがある友達の香織から
借金が増えているからどうか助けて欲しい

微力ながら助けさせて貰う

どこからかふつふつとわいてくる悲しみ、
自分の悲しみとはむごさとか無知とかそういった何も知らないまま起こしてしまった事件に起因している

しまいには可哀想になる

現実を疑っては見たけれど皆白々しいし

いいんだ今のままで勝って好き放題出来る今に不満を持ってるだけなんだ

少し脱力感を感じた
時計を見ると12時を回っていた
昼食の時間だ

近所の喫茶店でランチのセットを頼んだ
豚肉のしそ巻きにスープ
ご飯を思いっきりほおばりスープを流し込んだ

おかずを最後に残す癖があり、食パンも耳を最初に食べる

食後のコーヒーがたまらなくおいしく
これこそ至福の時だ

街に出ると肌寒い季節もそろそろ終わりに近づいている



家に帰ると体の力が何となく抜けてきた
軽く昼寝をする

また夢を見る
少しなれなれしい快活な女性
料理の材料これから一杯持ってくるからね

どこからだろう部活動をやってる女性の声

声だしていこ~


なぜ夢を逐一羅列する必要性があるか
それは予感と現実に密接に繋がっているから

今は愛情に飢えているのではなく一人になって行く疎外感が怖い

次第に孤立してゆく自分といつ出会えるかわからない予感めいた人物の間にいる

2009年3月8日日曜日

黒の女性

次の日会社で上司から大目玉を食らった
何のための営業なのか、もし今度背くような真似をするなら即刻首だと
当然といえば当然
会社の責務を自分の秤にのせて判断した
だが後悔はないもしもあそこで自分の正直な思いを具現化しなければ俺は一生
嘘つきになってしまう

綺麗な物はなぜか儚いしとげもある、
きっと私永物不動産も社長や上司が判断する余地がある

言葉は少ない方が良い
必要最低限の意思が伝わる

電話の留守録に
服部です今度お食事しましょう
都合の良い日を待ってます

なぜか商談ではないことが如実に伝わってくる

自分は今まで自分勝手だ、会社のことを思い返せば給料を貰ういがいなにものでもない
チームと一体感を味わう日もある
しかしそれ以上のものでもない
忠誠心というものがあるのなら一桁を切っている

なぜこんな自分でも働かせて貰っているのか
仕事が自分のためだということを誰よりも敏感に察知できているおかげかもしれない

ただ合理的にばかり走るのも嫌だ
時には感情をむき出しにしてたとえ同じ会社の同僚でも本気でけんかすることを恐れないで

日曜日
近所の公園でボーと歩いてると
偶然目線がかち合った
あの赤ん坊を押していた老人
多分自分の記憶をたどるとそうだ

今日は黒目がりりしい大きな犬を連れていた
やぁまた会いましたね
自分はいきなり声をかけられたような気がした

飼い犬は皆愛想が良い
幸せだからとか人が好きだからとかそれよりもゆとりが感じられる
人間はゆとりのある人でないと笑顔は生まれない
きっと今みたいなかつかつの生活の中では唯一笑顔というものには困る
他人に出せないのだから尚のこと苦手だ

朝、出勤するとまた上司から呼び出された
今日はこの会社と契約を交わしてくれ
80%の出資で完全に買収するとな

しかしこの会社は今までさんざん世話になった会社でもあるはず
特にうちが零細企業の頃から二人三脚でやってきたというのに

何か聞きたいことは?

あ、いえしかし向こうが断ってきたら
私たちは完全に向こうの財務はお見通しなのだよ
三年近くかかって骨抜きにした
頼むよこれいじょうの成長を維持するには拡大路線しかない

少しだけ複雑な思いだった
現に根回しでつぶすような会社はごまんとあるのになぜあのような
忠誠な会社を乗っ取るのか

会社の命令に疑問を抱くのは今日に限ったことではない、
だが・・・


6階建てのこじんまりとしたビルの一室
どんな言葉を吐けば相手が傷つかないかをじっくり考えていた

お茶をどうぞ
そういっていきなり目の前に現れたのは
少しふくよかで黒のスーツを着た女性だった

最初から満面の笑顔で瞳に今にも吸い込まれそうだった
女性はにこにこしながら書類にチェックを入れていた

今日は大事なお話なんですよね
笑顔がますます深くなった

俺はいつの間にか業績はどうですかと聞いてはいけないことを聞いてしまった

ええ
この世知柄厳しいものがありますけれど
私たちは最善を常に尽くしてますとくに昔からのクライアント様には

その話なんですが あの

自分の言葉が出かかった瞬間

その女性は日頃からお世話になっている貴社にはもう感謝の言葉が見つかりません
用件なら何なりとお申し付けください

俺はいつも笑顔な女性の目が一瞬光ったのがまぶしいほど痛かった

全ては悟られている
ならば話は早いのではでもそれではない

まっとうな人間は食いつぶされ残った人間が一つの頂を熾烈に奪い合う
こんな事で企業文化が生まれるはずもない


俺はこの女性の前だと嘘がつけない
だったら正直になる
もうお互いが助け合って生き残る時代は終わったんだ

疑心暗鬼なおれの表情を見て女性の笑顔は止まったままだった

2009年3月6日金曜日

FLOWER

朝、目が覚めると二日酔いとむかむかする仕事の記憶で非常に後味の悪い朝だ
何のことも決まったこともないこの一ヶ月

日課は毎週のように届く花束に水を差すこと
誰のはからいか、それとも導きなのかもわからないがこうやって
綺麗な物に甲斐甲斐しく尽くしている

それは花でもなくとも動物であったり人間であったり
優しくなれる自分を発見すると少し嬉しくなる

電話が一斉に鳴り渡るオフィスへ
仕事は当たり障りの無いように人を薦めること

少しネクタイが窮屈になってきた

上司から直々に呼ばれるのは久しぶりだ
あまり目を合わせずに

この商談を今日中に丁重に断ってくれ
我が社も長いつきあいだからというわけにはいかなくなった
相手はしがみついてくるかもしれないが

とてもいやな役回りだ


公園のベンチで500円で買った弁当を食べていると野良猫が数匹よってきた

猫は物乞いでもなく警戒でもなく日向ぼっこの最中に偶然で食わしてきた印象だった
おにぎりを一欠片ちぎって放り投げた
脇からたくさんの子猫が出てきた、兄弟なのか親子なのか上手に分け合っていた

その様を見て俺の会社にもあれくらい分別のある社員がいたらなと感じてしまう

商談は13時を回ってからそれまでぼーっと人間観察をしている
デスクには嫌というほど仕事の念が染みついてるからここがいい

○○さんですね
後ろから声をかけられる

え?

よかった人違いじゃなくて、私永物不動産の服部です
今日は時間が早いですけれどどうですそこの喫茶店で

商談には細身の白のスーツを着た若々しい女性だった

目は透き通った茶目で少しとがった目鼻立ち

きつい印象はなかったがこちらのペースをまもらなければ上司のいうとうりに遂行できないと思った

喫茶店で鞄を一斉に空け書類を広げられると
契約を継続するかしないかのサインを求められた
しかし女の説明では自分の会社は客観的に見るならこんな状態で
自分達が必要とされている会社俺の会社の未来を存分に鑑みて結論を出していた

その要求は今の自分達の最大でもなくそれ以下でもない

目を大きく見開いたその女の中には誰かを支えてる紛れもない事実があった

えぇ・・・あ
とりあえず半分 半分は飲みましょう続きはまた今度に

女は深く礼をした

しかし後から資料に目を通すとあの会社は財務から経理に至るまで綺麗すぎるほど社会に奉仕している

何となく自分と少しだけ共通する部分をあの女に垣間見た
それがきっかけだった

2009年3月3日火曜日

Version

ビデオカメラ買ってよ

だめよ真樹もうすぐ受験でしょ
勉強ははかどってるの?

追いかけてる物に夢中だ私は・・・
でも中身はいつだって空回り
好きなこともやりたいことも全部後回しにしてきた
だってみんな同じ物が欲しい
思慮深さが裏目に出た


違うんだ本当は自分にしかない物をほしがらない
見ようともしない耳をふさいで傷つくのを避けていた

いたずらに月日は流れる
もう若いからとか中学生だから親の庇護だからなんていいわけは通用しない

自分の足で進むんだ
今日から自分のやりたいことを追いかける


ねぇ今日子あのこまたあんたのこと見てるよ

私に?
何かの勘違いじゃない?

公園のブランコに毎日と言っていいほどたむろしている少女達
少しぐれた女子中学生の放課後の集いだ

あのこすこし変わってるよね
オタクなのに運動も勉強もそこそこ出来て

ん?タバコ吸う?
見かねた一人の取り巻きが気を遣う

私さぁ中学でたら働こうと思うんだ

え?どうして
楽しまないの学生生活

だってさぁみらいなんて今はどうでもよくて
それより明日の楽しさとか充実感が欲しいよ

今日子らしいよ

真剣なんだこれでも私
楽観なんてしてないよ
未来に期待しすぎてる例の優等生の将来だって


いつもこんな場所でよくたむろしてられるよ
あ~ぁここがお気に入りの場所じゃなかったら素通りなんてしないのに


真樹は心の中で思っていた
大体私のクラスは3つに派閥が分かれてる
勉強もそこそこ出来て未来のある優等生グループ

ある程度すれてしまって学力がおぼつかない不良グループ

そして私のように夢に必死で食らいついて物がおぼつかない白昼夢グループ

もうよせばいいのに先生からは進路のことで何度も忠告されている
母親は理解できないからいつも私にきつく当たる

夢はいつまで経っても腐らない大切な物
少しのことでおなかいっぱいになれるし私は幸せ


今日一つの進路を決めるためこの扉を開ける

映研

映画研究会の部室

きっと今よりやれることがある
飛び込んでみよう
高鳴る胸を押さえゆっくりと扉を開けた