ある彼女と出会って別れその時間を失った
それ以来
食べるもの囓るもの全てに味がない
描く絵にどれも色がない
見る映画どれにも涙がない
近所に買い出しに行くたび
彼女と連れ添って選んだ果物屋と野菜屋の棚
今やどれでもいい
後ろ姿が立派に見えるほど頼りなかった
その時見せる笑顔が
この世界の俺の唯一の救いだった
無くなって気付いても大切さに気付くだけ
いつか笑って飛ばせる日が来るだろう
一人の人間に夢中になり体の痣や染みのように残された思いで
精神がよりどころを求めているのは確かだった
俺は夜空の下神様に願った
これ以上の出会いは欲しい
これ以上の思いではいらない
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