2010年11月18日木曜日

地平線

被告の犯罪は残虐非道かつ被害者の人権を無視し
遺族はおろか被害者にも呵責がなく
反省の色が全く感じられず
更生は不可能に近い
よって極刑をもって償う

被告
何か言葉は

一切間違いはありません
刑の執行を切に望みます

死刑の独居房に入れられた俺は
一人満たされた生活を送る
レイプ殺人三件
未遂八件
十分に死刑が求めれる犯罪を犯した
独居房の生活は孤独だと思われるが
看守の態度は致せりつくせりで
既に哀れみでも同情でもましてや可哀想でもなく
表情が既に悟りきっている

約三ヶ月後
法務大臣から執行のサインが降りた
俺は目隠しをされ
死刑台に登る
恐怖は微塵もない
皆温かい態度で望んでくれる
ボタンのブザー音がなった
一瞬目の前が真っ暗になり
次第に満たされていく感じがわかる
あぁこれが死ぬことなんだな

そして
次の瞬間

うぁぁぁぁ
俺はいつの間にかベッドの上にいた
体は汗で濡れ
まるで悪い夢を観ている錯覚だ
あら
起きたの

アンタ誰だ?

あらやだ
自分の母親の顔を忘れるんですもの
気がつけば一人の婦人
たしか俺は極刑で死んだはず

いつまでも同じ夢ばかり見るんじゃないよ
きっとガールフレンドをしこたま作ってるのを神様が見てるんだよ

俺は無限のループにいる
死んだと思えば誰かの胸の中
しかも自分は俺の母親だと言いはる
なんども死のうと思っても
結局ここに戻ってくる

ふふふ
振り向きざまに母が笑った気がする
何がおかしいんだよ
お前は可愛いからそう簡単には死なせてはくれないだろうね
俺はその笑顔を見ながら
なぜかひきつりながら笑いが漏れてきた
どこへ行っても限り無く続く地平線はある。

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