気付けばそのまま寝てしまったようだ
筆を握りしめたまま床に伏せている
そうか俺はいつの間に寝てしまったのか
頭を上げると昨日完成させた自分の作品があった
濃縮した自分の感性は結晶となって自分にまじまじと迫ってくる
確かに見直すとやはりどこか稚拙で足りない部分が多い
しかし達成感はあった
誰にも胸を張って言える自分のもの
布をかぶせるともう少し仮眠をとろうとした
すると誰かが部屋に入ってくる物音がした
クラスメイトしかいないな・・・
むしろ今ではかけがえの無い人だ
ここなんだな
えぇ入って今では学校に行ってる時間のはずだし
あいつをここまで追いつめるのも時間がかかった
金も策も尽き果てて来週には放校処分だよ
くだらない夢と自尊心と一緒に社会から抹殺だ
でもなぜそこまで彼を
純粋に夢を追いかけてるのは人としてあるべき姿よ
お前も俺の男やめてあいつのもとにでも行くか?
冗談、辛気臭い夢なんてごめんなの
ははは、全く危険思想のある人間は叩いても叩いても出てくるな
突然何かが起き上がった
誰?
あなたもしかしてだって今日は学校じゃ
完成したんだ
いの一番に君に見せるつもりだった
本当さ
でも嘘、その優しさも言葉も偽善だったんだね
青年は静かに言った
おいおいお前なんかに本気で思ってたと信じてたのかよ
ま、これでも食らって楽になりなよ
そう言うと男は拳を振りかざした
当てるならここに当てるんだ
青年はカウンターで男の顔面に男が放った何倍もの威力のパンチをこびりつけた
クラスメイトの顔を見るなり悲しい表情で青年は部屋から出て行った
画廊に向かうといつもの少女
頬杖を付いて何かを待ってるようだった
青年が近づくと笑顔になって
両手を差し出してきた
そして
今は私、何も無いよ
君もそうさ
青年は予期せぬ言葉に
そうだよ俺は何も無いよ
でもいつかは・・・・
静かな午後に二人は自分たちをただ確かめあっていた
おわり
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