スタートダッシュに成功したセイは思い切り車体を傾け
インハイのコースに寄った
誰にもコーナーは譲らない
セイが所属するスピードジャックは
初級でもあり登竜門でもありここで基礎を学んでランクアップしてゆく
故にラフプレーが禁止されていた
後続車は指をくわえてみるばかり
セッティングがいいよ今日のマシンは吸い付くように走るぜ
セイは自分が今まで隠していた恐怖との葛藤から解き放たれそうだった
負けるのも怖いかといって事故を起こすのはもっと怖い
だがなによりも走る喜びをこのときは手に入れていた
後ろから何か突き刺すような悪寒を感じた
何だこの嫌な予感は
誰だ俺を見下してるのは
斜め後ろからフルスロットで接近してくる車体
セイは動揺した
体当たりは禁止のはずだったしかし
その車体はわずか数ミリの単位でコツンと車内に響く音を出させた
うわぁぁぁ
こんなところで終わりたくない
セイもまたフルスロットルでコーナーを曲がり切ろうとした
頭につけたインカムにチームの声が響く
おいセイ焦るんじゃないまだ後4周残ってるぞ
セイはその声で気を取り戻した
やがて直線に入り
気持ちが楽になった
最初のコースは曲線が緩く単調になりがちだったがセイはメリハリを付けた
無理なアクセルワークを避け相手の視界を遮るように運転した
第一ラウンドの結果は2位
いつもなら予選落ちだったが今回は次のラウンドまで進める
セイは最後まで残らないとここまできた意味が無い
そう思い足早に次のコースへ足を運んだ
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