2008年8月8日金曜日

スピードジャック

スタートダッシュに成功したセイは思い切り車体を傾け
インハイのコースに寄った
誰にもコーナーは譲らない
セイが所属するスピードジャックは
初級でもあり登竜門でもありここで基礎を学んでランクアップしてゆく
故にラフプレーが禁止されていた
後続車は指をくわえてみるばかり

セッティングがいいよ今日のマシンは吸い付くように走るぜ
セイは自分が今まで隠していた恐怖との葛藤から解き放たれそうだった
負けるのも怖いかといって事故を起こすのはもっと怖い
だがなによりも走る喜びをこのときは手に入れていた

後ろから何か突き刺すような悪寒を感じた
何だこの嫌な予感は
誰だ俺を見下してるのは

斜め後ろからフルスロットで接近してくる車体
セイは動揺した
体当たりは禁止のはずだったしかし
その車体はわずか数ミリの単位でコツンと車内に響く音を出させた
うわぁぁぁ
こんなところで終わりたくない
セイもまたフルスロットルでコーナーを曲がり切ろうとした

頭につけたインカムにチームの声が響く

おいセイ焦るんじゃないまだ後4周残ってるぞ

セイはその声で気を取り戻した
やがて直線に入り
気持ちが楽になった
最初のコースは曲線が緩く単調になりがちだったがセイはメリハリを付けた
無理なアクセルワークを避け相手の視界を遮るように運転した
第一ラウンドの結果は2位
いつもなら予選落ちだったが今回は次のラウンドまで進める
セイは最後まで残らないとここまできた意味が無い
そう思い足早に次のコースへ足を運んだ

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