2008年9月29日月曜日

時代の半ばに自分はいた仕事も趣味も恋愛も総てが中途半端だった
だから人生は至って何もない自分だけの真っ白な世界だった

今日も一人、ぽつりぽつりと散歩に出かける。変わり映えしないのはきっと自分のせいなのに
これはきっと性だ
雑踏の真ん中で誰かの本音が聞こえてくるようだった
君が自分の足で変えなければ何もこない
愛も足りない、時間もない、情報もなければもう
誰かが自分のことを愛してくれるのをじっと待ってるそんなむなしい時間だった


ある日、銀行を横切り郵便局の前で赤ん坊の乳母車をひいている老人を見かけた
老人は自分をまっすぐ見つめ赤ん坊をいかにも大切そうに押していた

赤ん坊の顔はりりしかった、そのまま大人になった顔が想像できるくらい
知性も感性も赤ん坊に総て完成し備わっているような気がした
思わず大人になったとき自分の恋人にしてくださいと嘆願したくなるくらいだった

俺はもう30半ばだというのに

老人と赤ん坊はその後すぐに消えた
しかしその後不思議な世界の入り口へと自分は入っていた


大学の同級生だった人物から電話が入った
今日コンパするんだけど人数が間に合わないので君も来ないか

いつもなら断っていたが今日は時間もたっぷりある
いやカラオケだけは勘弁してくれるなら
そうこなきゃ

嫌な予感がしたのだが案の定自分はこの場でものすごく浮いた立場になっていた
大人になってもこんな空騒ぎだけはごめんだった

横の女の子にごめんと合図をして途中抜け出していった

夜の空気がすがすがしくたまには夜の散歩もいいものだと一人歩いていた
すると道ばたで赤ん坊の泣き声がする母親が必死であやしていたが
生まれたての赤ちゃんと言ったところだが
どうにも泣き止んでくれないようだ

思わず、大変ですねと声をかけていた
えぇいつもはおとなしいのに夜になると泣き出すんです


その子供はあど気ないかわいいくりくりした目でこちらをのぞくといきなり泣き止んだ
男の子ですか?女の子ですか?
男です でもよく間違えられて

はは、自分の昔にそっくりだ
でも人見知りが激しいんですよ、私と家族いがいなつかないんです

でも大きくなれば大丈夫、自然と社会のルールに沿ってゆくものですよ



その場で別れた親子に自分の姿を投影してしまった
その後親ですら信用できなくなった自分が心底嫌いだった

明日は仕事の締め切り日
心の余裕などそのときは生まれなかった

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