どうも宅配便です
朝から早々玄関で
身に覚えのない荷物が届く
あけると箱一杯に敷き詰められた薔薇の花
宛先を見ても誰も書かれていない
ただ自分の住所だけ
もちろん差出人の名前などもなかった
これは何かの間違いだろう
しかし開封してしまった以上受け取る以外ほかになかった
花を挿す花瓶もないことにちょっとむなしくなった
会社に出勤途中
定期がもうすぐ切れる寸前に気がついた
早いとこ買っとかなくちゃな
駅に着くと中はたくさんの人間でごった返していた
時間に余裕があったので自販機のコーナーで砂糖が利きすぎたコーヒー牛乳を飲み干していた
途中
足下にくすぐったい感触が残った
何だろうと下を見ると
黄色い帽子と赤い帽子をかぶった幼児が追いかけっこをしていた
きゃははははは、にゃははははは
幼い笑い声が響く
子供たちは夢中なのかこちらの存在はおかまいなしだ
兄弟なのだろうと自然にほほがゆるむと
しばらくその様子を眺めていた
この無邪気且つ甚大なエネルギーが今の自分にかけている
しばらくすると保護者のような人物が現れて
ほら、もう時間よ
と催促をし子供たちを無理矢理連れて行った
その母親の顔
どこかで見たような
いや、待てよどこかで赤ん坊を抱いてたな
しかし顔が妙に前より老け込んでいる
人違いだろう
その母親は自分の顔を見るなり何かに気がついたようで軽く会釈をして消えていった
電車に揺られると
一日の仕事が走馬燈のようによぎる
イメージにはほど遠いが
大体目星がつけられる仕事なんだろう
朝っぱらからどうにもならない考えばかりが浮かぶ
一度思い切り遅刻をして自分のポストがどれくらいの物なのか確かめたくはあった
誰かに簡単に代替される物なのか
本当にこの会社に必要とされているのか
自分の物語は30そこらで終わってしまっている
夢や理想を両手に持ち運ばなかった結果だろう
気づいてからではもう遅かった
薬院 薬院 役員
降りる方が済んでからご乗車ください
最近では幻覚にも似た幻聴にも似た
二重の意味にとってとれる物が増えた
例えば発音も同音だと何か違った外国語に聞こえる
染みもよく見れば何か違った物にも見える
ノイローゼでも入ったのかな?
帰宅途中デパートの総菜売り場でつまみと挽き立てのコーヒーを買った
アルコールは極力控えてるから
カフェインで脳内をコントロールする
こんな真っ白な空間でも欲しいものは欲しい
今は無性に笑顔が欲しかった
むろんそれは金で買った物ではなく
本当の意味での笑顔が・・・・
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