今は昔の時代
まだ人と人の間に隔たりがなかった時代
話すときも畏怖もなければ疑いも警戒もなかった。
村に一人の青年がいた
名前はヤーガー
ヒョッコリ抜けた身長にあどけない顔
それとて憎めない人間だけれどどこか違うものを持っていた
彼は近くにいるだけで人を幸せな気分にできた
幸せの概念というのは千差万別だから
ヤーガーはなぜかうれしかった
だから人を幸せにすることを探求するようになった
そして、人々はある種の危惧を抱いた
ヤーガーはいつかいなくなるのでは?
しかし、一度つかんだ幸せというものは放したくない
村の人間は話し合った挙句
ヤーガーに冷たい仕打ちを始めた
何もできないくらいにつらいことを押し付けたり
傷みを見せた
もうこれ以上彼の幸せを広めないために
ヤーガーは深い悲しみに沈んだ
人を幸せにすることがこんなにつらいことを生み出すとは
そしてその瞬間はやってきた
悲しみは憎悪になって爆発し
ヤーガーは怒り狂い虐殺を始めた
目に留まる人を殺しても殺しても怒りは静まらなかった
人々はそれを見て自分を守るために言葉を作った
そして何種類も何種類も分けることにした
ヤーガーは力尽きた
意思の通じないものにあたったところでどうしようもなかった
人々は後でどこがおかしかったのか検証するだろう
幸せこそが憎しみの温床だったのか
人を大切にすると独り占めにしたいは表裏一体なのかを
ヤーガーの子孫は生きているといわれた
しかしその証拠はない
部屋で寝そべって中古で買った古文書を読んでいる
だからこんな夢を見たのかもしれない
最初は意味のわからない話でも何度も触れるうちにかわいくなってくる
想像以上に奥が深い
仕事は滞ったまま
机の上には山ほど片付けられない調べ物の難題がある
依頼はコンスタントにどんどん入ってくる
歴史が変わるかもしれないとか
これはぜひ調べるべきだ
君たちの未来につながるなど
宗教は足を踏み入れると底なしだと思う
だから一定の距離を保ちつつこの町、そして視野を広げ大陸や半島まで視野に入れ調べようと思った
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