2010年6月10日木曜日

テンダーテンダー

ある男はぼんやりとしていた
嘘も平気ではつけないし騙すなんて頭もない
ましてや殺生なんて怖くてできない

良い人ではないけれど
どこか変わっている

白いカッターシャツに紺のジーパン
自分では一番にあっているシンプルな服装


今日も散歩をするが
なにかやりきれない気持ちでいっぱいだ

ゴミは見つけたらなるべく拾う

人と合うときは目線に気をつける

何気なく日常を過ごそうとしても
いつになくごった返してしまう頭の中


コンビニの募金箱にお金を投入して
その後会計のお金が足りなかったり


スーパーで正直に手にとった食品の賞味期限がきょうだったり

好きな人に何時までも自分の気持を言えなかったり

何かと上手くいかない人生を
彼は時々ふふふと笑う


その笑いからなのだろうか

どんなことをしても幸せになれるのかもと気づき始めた

幸せは自分からはこないという
しかし自分からそこに至れば
常に至福の時間と言うものはないだろうか


ミスや失敗を時にあっと声にだしてしまう
挫折で起き上がれない日々が続く

きっかけは
それらを許すことから

そしてそれを他人に向ければ優しくなれる
思いっきり後悔して
傷ついたはてに生み出された感情


彼にとって苦しみや痛みは決して意味のないことではなかった

考えるなら幸せというものは
苦しみ、辛さ、痛さ、絶望、失望、諸々の上に咲いた徒花ということになる

人生には波があるのだから
決して悲観ばかりが全てじゃないことが何となく理解できるようになったのだ。


いつかこの傷も癒える
そしてすべての感情が開放される時がくるだろう

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