ある男はぼんやりとしていた
嘘も平気ではつけないし騙すなんて頭もない
ましてや殺生なんて怖くてできない
良い人ではないけれど
どこか変わっている
白いカッターシャツに紺のジーパン
自分では一番にあっているシンプルな服装
今日も散歩をするが
なにかやりきれない気持ちでいっぱいだ
ゴミは見つけたらなるべく拾う
人と合うときは目線に気をつける
何気なく日常を過ごそうとしても
いつになくごった返してしまう頭の中
コンビニの募金箱にお金を投入して
その後会計のお金が足りなかったり
スーパーで正直に手にとった食品の賞味期限がきょうだったり
好きな人に何時までも自分の気持を言えなかったり
何かと上手くいかない人生を
彼は時々ふふふと笑う
その笑いからなのだろうか
どんなことをしても幸せになれるのかもと気づき始めた
幸せは自分からはこないという
しかし自分からそこに至れば
常に至福の時間と言うものはないだろうか
ミスや失敗を時にあっと声にだしてしまう
挫折で起き上がれない日々が続く
きっかけは
それらを許すことから
そしてそれを他人に向ければ優しくなれる
思いっきり後悔して
傷ついたはてに生み出された感情
彼にとって苦しみや痛みは決して意味のないことではなかった
考えるなら幸せというものは
苦しみ、辛さ、痛さ、絶望、失望、諸々の上に咲いた徒花ということになる
人生には波があるのだから
決して悲観ばかりが全てじゃないことが何となく理解できるようになったのだ。
いつかこの傷も癒える
そしてすべての感情が開放される時がくるだろう
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