2010年5月1日土曜日

描写

推敲が足りないな

そう言い渡されて原稿の山をどさりと返された

編集室のど真ん中で今日もダメ出し

俺は漫画家

気がついたらいつの間にか漫画を書いていたから自然とそうなった

でも売れない

デッサン以前の問題なんだ
基本的なことが抜け落ちている
つまり何が言いたいのかわからないよ

そうですか
また出直してきます

つまりこういいたいんだ
書きたいんではなく書かなくてはいけない



家に帰ると
母親が夕ご飯の支度をして寝てた

家族は三人

子供と母親
妻は愛想を尽かして出て行った


趣味は特に無い

あら、コレいいわね
いつか言われた言葉
学生時代陶芸をかじっていたこともあってか
暇つぶしに粘土で器と湯のみを作ってる
色とといい形といい
いいセンス持ってるわぁ
自分でもわからなかった
ただ粘土をこねているとき自分は素直になれた
じっくりじっくり自分の形を整合してく作業
ただ好きではない

そこまでは



これからは自分の好きなことより
人が求めることをやらなきゃだめだよ
そう言って妻は出て行った


なんとなくわかる



今日は休日
3歳になる長男と
ラーメン店に行く

真っ赤なカウンターで元気なおねぇさん
サッちゃんと呼んでいる

いつも忙しい時でも笑顔をみせてくれるから

いつものヤツください

そういうと
カウンターにはラーメンと餃子
ビールが一本



子供はいつも黙々と食べてくれる
俺より察しがいいから
いつも頼りにしている


横を見ると
同じようなペアが一組
四歳くらいの女の子を連れた
俺と同じくらいの中年

女の子は今日あったことをあどけない笑顔で喜々と話していた

最近パチンコ屋でよく見かけるようになったな

ギャンブルをするときは人生落ち目だ
何となくあいさつをする



帰り道


なぁ
なにか欲しいものがあったら言ってももいいぞ

別に

相変わらず息子は黙々と自分の道標になってくれる


次の日も
売れない原稿を持って会社へ向かう

なにかサラリーマンにも似たような感じだが
気持ちはどこかに向かって描写しているはずだ

その描写がなんなのか
どこに行き着くのなんて知らず

少し頭をかくと
息子の気持ちがが何となくわかったような気がした

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