推敲が足りないな
そう言い渡されて原稿の山をどさりと返された
編集室のど真ん中で今日もダメ出し
俺は漫画家
気がついたらいつの間にか漫画を書いていたから自然とそうなった
でも売れない
デッサン以前の問題なんだ
基本的なことが抜け落ちている
つまり何が言いたいのかわからないよ
そうですか
また出直してきます
つまりこういいたいんだ
書きたいんではなく書かなくてはいけない
家に帰ると
母親が夕ご飯の支度をして寝てた
家族は三人
子供と母親
妻は愛想を尽かして出て行った
趣味は特に無い
あら、コレいいわね
いつか言われた言葉
学生時代陶芸をかじっていたこともあってか
暇つぶしに粘土で器と湯のみを作ってる
色とといい形といい
いいセンス持ってるわぁ
自分でもわからなかった
ただ粘土をこねているとき自分は素直になれた
じっくりじっくり自分の形を整合してく作業
ただ好きではない
そこまでは
これからは自分の好きなことより
人が求めることをやらなきゃだめだよ
そう言って妻は出て行った
なんとなくわかる
今日は休日
3歳になる長男と
ラーメン店に行く
真っ赤なカウンターで元気なおねぇさん
サッちゃんと呼んでいる
いつも忙しい時でも笑顔をみせてくれるから
いつものヤツください
そういうと
カウンターにはラーメンと餃子
ビールが一本
子供はいつも黙々と食べてくれる
俺より察しがいいから
いつも頼りにしている
横を見ると
同じようなペアが一組
四歳くらいの女の子を連れた
俺と同じくらいの中年
女の子は今日あったことをあどけない笑顔で喜々と話していた
最近パチンコ屋でよく見かけるようになったな
ギャンブルをするときは人生落ち目だ
何となくあいさつをする
帰り道
なぁ
なにか欲しいものがあったら言ってももいいぞ
別に
相変わらず息子は黙々と自分の道標になってくれる
次の日も
売れない原稿を持って会社へ向かう
なにかサラリーマンにも似たような感じだが
気持ちはどこかに向かって描写しているはずだ
その描写がなんなのか
どこに行き着くのなんて知らず
少し頭をかくと
息子の気持ちがが何となくわかったような気がした
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