朝、目が覚めると二日酔いとむかむかする仕事の記憶で非常に後味の悪い朝だ
何のことも決まったこともないこの一ヶ月
日課は毎週のように届く花束に水を差すこと
誰のはからいか、それとも導きなのかもわからないがこうやって
綺麗な物に甲斐甲斐しく尽くしている
それは花でもなくとも動物であったり人間であったり
優しくなれる自分を発見すると少し嬉しくなる
電話が一斉に鳴り渡るオフィスへ
仕事は当たり障りの無いように人を薦めること
少しネクタイが窮屈になってきた
上司から直々に呼ばれるのは久しぶりだ
あまり目を合わせずに
この商談を今日中に丁重に断ってくれ
我が社も長いつきあいだからというわけにはいかなくなった
相手はしがみついてくるかもしれないが
とてもいやな役回りだ
昼
公園のベンチで500円で買った弁当を食べていると野良猫が数匹よってきた
猫は物乞いでもなく警戒でもなく日向ぼっこの最中に偶然で食わしてきた印象だった
おにぎりを一欠片ちぎって放り投げた
脇からたくさんの子猫が出てきた、兄弟なのか親子なのか上手に分け合っていた
その様を見て俺の会社にもあれくらい分別のある社員がいたらなと感じてしまう
商談は13時を回ってからそれまでぼーっと人間観察をしている
デスクには嫌というほど仕事の念が染みついてるからここがいい
○○さんですね
後ろから声をかけられる
え?
よかった人違いじゃなくて、私永物不動産の服部です
今日は時間が早いですけれどどうですそこの喫茶店で
商談には細身の白のスーツを着た若々しい女性だった
目は透き通った茶目で少しとがった目鼻立ち
きつい印象はなかったがこちらのペースをまもらなければ上司のいうとうりに遂行できないと思った
喫茶店で鞄を一斉に空け書類を広げられると
契約を継続するかしないかのサインを求められた
しかし女の説明では自分の会社は客観的に見るならこんな状態で
自分達が必要とされている会社俺の会社の未来を存分に鑑みて結論を出していた
その要求は今の自分達の最大でもなくそれ以下でもない
目を大きく見開いたその女の中には誰かを支えてる紛れもない事実があった
えぇ・・・あ
とりあえず半分 半分は飲みましょう続きはまた今度に
女は深く礼をした
しかし後から資料に目を通すとあの会社は財務から経理に至るまで綺麗すぎるほど社会に奉仕している
何となく自分と少しだけ共通する部分をあの女に垣間見た
それがきっかけだった
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