私は顔もわからない同級生と待ち合わせをしてしまった
どうしようかと少し迷ったけれど家族の人はみんな笑顔で行ってらっしゃいと促してくれた
駅のロータリー
未だ息が白くかじかんだ手を温めていた
そのうちに時間は過ぎてゆく
楽しそうに並んで歩いてる人たち
私は流されるようにひたすら待った
どれくらいたっただろう寒さで時間を忘れてしまった
意識が遠のいてゆく
突然背中をポンと押された
やぁこんなところにいたのか
僕は反対側の入り口で待ってたよ
突然出てきた彼は初対面とは思えなかった
まるで幼なじみが大きくなったような懐かしい感じ
温かいコーヒーでも飲んで暖まろうか
彼は優しく自分をエスコートしてくれた
ドーナツショップで飲むコーヒーはなんだか特別なことでもないのに
彼となら思い出に変わりそう
だってね彼は一時たりとも私から目を離さず笑ってるんだもん
窓ガラスから見える夜の雑踏
今度さ一緒に映画なんて行けたらな
映画なんていつでもやってるよ
ほらおまえと昔見ようと思ってた映画、もうロードショーは終わったよ
何処かの時計の針が終わりに近づいている気がしてきた
その時時間も空間も真っ暗になった
私は気がつくとICUのような部屋にいる
ハーネスを体中につけられ脳波のようなモニターが見える
天井にはレンズが大きく目を開けている
気がついたのね
よかったぁぁぁぁ
誰かが泣き崩れる声
しかしその後
残念ながらお母さん彼女の寿命は後数時間足らずです
最善を尽くし真の安楽死を目指します
誰の声だろう安楽死って私・・・・
するとまた景色が変わった
ドーナツショップで彼の前にいる自分だ
好きだよ
突然だけど
まえから知ってたみたいだけど
お互い素直じゃなかったからここまでくるのに時間がかかったね
プレゼント
開けてみてよ
小さな包みには今まで私の人生を記録した写真
大事にとっておくよ僕もその思い出とともに
私は泣いていた
待ってよ
私は思い出をこれからもずっと作り続けるよ
これからは僕たちと別の世界で幸せになるんだよ
私は力が抜けるのを感じた
そう
幸せを買ったんじゃない
幸せをみんなから貰ってたんだ
終り
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