2009年3月11日水曜日

Rental happy

私は顔もわからない同級生と待ち合わせをしてしまった
どうしようかと少し迷ったけれど家族の人はみんな笑顔で行ってらっしゃいと促してくれた

駅のロータリー
未だ息が白くかじかんだ手を温めていた
そのうちに時間は過ぎてゆく
楽しそうに並んで歩いてる人たち
私は流されるようにひたすら待った
どれくらいたっただろう寒さで時間を忘れてしまった
意識が遠のいてゆく

突然背中をポンと押された

やぁこんなところにいたのか
僕は反対側の入り口で待ってたよ

突然出てきた彼は初対面とは思えなかった
まるで幼なじみが大きくなったような懐かしい感じ

温かいコーヒーでも飲んで暖まろうか

彼は優しく自分をエスコートしてくれた

ドーナツショップで飲むコーヒーはなんだか特別なことでもないのに
彼となら思い出に変わりそう

だってね彼は一時たりとも私から目を離さず笑ってるんだもん

窓ガラスから見える夜の雑踏

今度さ一緒に映画なんて行けたらな

映画なんていつでもやってるよ

ほらおまえと昔見ようと思ってた映画、もうロードショーは終わったよ

何処かの時計の針が終わりに近づいている気がしてきた
その時時間も空間も真っ暗になった

私は気がつくとICUのような部屋にいる
ハーネスを体中につけられ脳波のようなモニターが見える
天井にはレンズが大きく目を開けている

気がついたのね
よかったぁぁぁぁ

誰かが泣き崩れる声
しかしその後

残念ながらお母さん彼女の寿命は後数時間足らずです
最善を尽くし真の安楽死を目指します

誰の声だろう安楽死って私・・・・

するとまた景色が変わった
ドーナツショップで彼の前にいる自分だ


好きだよ
突然だけど
まえから知ってたみたいだけど
お互い素直じゃなかったからここまでくるのに時間がかかったね
プレゼント
開けてみてよ


小さな包みには今まで私の人生を記録した写真

大事にとっておくよ僕もその思い出とともに

私は泣いていた

待ってよ
私は思い出をこれからもずっと作り続けるよ

これからは僕たちと別の世界で幸せになるんだよ

私は力が抜けるのを感じた
そう
幸せを買ったんじゃない

幸せをみんなから貰ってたんだ

終り

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