今わかった
会社にもう居場所など無い
しかし自分にはまだやり残した事がある
もっと笑顔の溢れる職場、そこにいるだけで楽しい職場
そんなものを目指そうと思っていた
五時過ぎ早めに会社をあとにし飲み会へと顔を出す
ネクタイを緩めると早速つまみが出てくる
ビールと枝豆
無性にこの日は相性が合う
胃に染み渡るように味わった
ほろ酔い気分で辺りを見渡すと佐藤が記念撮影をしている
持ってきたデジカメにどんな写真があるのか
ほんの少し興味があった
主任
いきなり声をかけられる
僕はいつまでも主任の味方なんですから
佐藤は事情を何となく知ってるようだった
酒はおいしい
普段自分の中にある心をなぜかさらけ出し洗ってくれる
そのまま気分よく酔いつぶれるべきだったかもしれない
しかし
主任
どこかで聞いた事のある女性の声だ
響子
多分響子だったかもしれない
その誰にでも見せてる屈託ない笑み
お願いだ俺独りに独り占めさせてくれ
せめてこの時間だけは
みんながあなたを必要としてる限り
どんな事があっても負けないでください
俺はいきなり響子の手を握った
もし後数日のうちに結果を出せたら願いを聞いてくれるか?
響子はしばらく考えたが
うつむくようにうなずいた
笑顔のおくは涙のようなものも見え隠れした
錯覚だろうか?
ビールの次は日本酒だった
揚げ豆腐をつまみにしキリリとした味を楽しみ
閉めは自分の世界へとどっぷり浸る
勢いのあまり響子と約束を交わしてしまったことを少し後悔し
早めに切り上げた
時計は午後10時
まだまだ夜は続く
はっきり言って自分に勝算はなかった
既に個人がなんとかできるようなプロジェクトは皆無だった
おわりたくない
ふと誰かが自分の後をついてきてる
誰だ?
今晩わ今日は暖かいですね
今日の朝会ったあの中年
忘れるところだった
活きのいいネタは転がってますか?
俺はテンションだけは一人前に上がっていた
もちろん、男は目をそらさず全てを飲む込むようにたたずんでいた
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