2010年3月15日月曜日

神様から与えられたもの

都心部の少し離れた郊外
大学付属の病院

いつも患者でごった返すこの界隈は街の一大拠点だった

数生はここの直属の医師を担当していた
カルテは全て電子化され
デスクトップにすべて記録してある
自分の文字だけだったカルテとは違い誰にでも目を通せる

昨日当直だった疲れがまだ体に残ったまま
自分の診察室へ向かう

数生は内科が専門だがまんべんなく勉強をしたつもりだった
特に代替医療はこれからの花形だと思っていた

その理由は沢山ある

きょうも一番の患者の顔を見るなり
数生は手に脂汗のようなものと軽い吐き気が催された

いつまで、同じような症状をもった患者と対峙しなくてはいけないのか

俺はスパイラルにいる

病気には原因が三つあると思う
そして治し方もそれ相応にある

ひとつは神の意志
これを聞くと伺わしいと感じるかも知れないが
病気は人間の人智を超えた部分で神が与えた何らかのきっかけかも知れないからだ

もうひとつは環境
家庭や会社などのストレス

そして
薬物に依る汚染

病気には因果がある
そう信じている

化学物質で体の生理作用を止めても根治には至らない
特に俺は神の意志
与えられた試練とでもいうべきだろうか
真剣に考えている

そのために東洋医学を調べている最中だ
ミクロの世界からマクロの世界
この宇宙全体を全てとみなして考えられれば

やはり病気は神から与えられたきっかけなのだ
人生や家族、社会に対して
自分の立場を確認する

そう思えば死もきっと今より概念が変わるはずだ
俺はどんな苦難があっても生きる意志がある限り生きろと患者に言う

安易に死を望むのも死を恐れることもやはり体には悪いと思う

原因不明、見たこともない病気がどんどん生まれてきている
常に諦めるか立ち止まるかの瀬戸際に立たされる

それでも、ひとつの大きな意志に向かう俺は生きているという大きなやりがいに変わる

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